シャッフル! | ナノ




というのが大体の事のあらまし。

現在十組の私、春日晴日のね。

もっと詳しく説明すると、この世は『普通ノーマル』や『特別スペシャル』や『異常アブノーマル』といった人種分けができるらしくて、どうやら私は一番後者だったらしい。
信憑性なんてまるでないがまあ、そういうものなんだろう。

しかし私の『異常』とやらは如何せん同族との相性が悪いのだと。
何故か一年生の教室に訪れていて、倒れたところを助けてくれた黒神真黒さんにそう言われた。

そしてあれよあれよといううちに、私は十三組から十組に編入させられてしまったのだ。
一瞬混乱した気がするがあのクラスでやっていける自信は正直なかった。
例え登校義務がなくとも顔を合わせる機会はあるだろうし
受け容れることが多すぎると自分を失ってしまうし、無ければどうやって自分を保てばいいのか分からないと、そう思った。
私はそれをただ、私が弱いから人に依存しているのだとそう思っていたけどどうやらそれが『異常』と言うらしい。

私の編入した十組は特別普通科という。進学科みたいなものかと勝手に納得している。
変わった人は多いけど、ものすごく優秀な人たちだったから。
才におぼれる事のない人格者が多数いたのも驚きだった。

私は隣の席にいた可愛らしい女の子…廻栖野ちゃんに誘われて美化委員会に入った。
思えば元十三組の私に物怖じせずにそんな誘いをした彼女は大物なのだろう。
私にそんな意識はあまりなかったのだが十三組は明らかに一線を画していると、十組になって気づいた。はじめ周りは爆弾でも扱うかのように私を見ていたから。

それでも自身の異常のおかげか知らないが2ヶ月たった今は普通にクラスメートをやっている。
そんな彼らと別れて私は今、旧校舎を目指していた。

無論、旧校舎管理人をつとめる真黒さんとのよしみで軍艦塔(ゴーストバベル)を掃除しに行くためだ。
長い廊下を抜けて曲がり角を曲がる。美化委員会などの委員会連合は生徒会の下部組織らしいんだけど…。なぜだか分からないが生徒会のことは先輩も知らないようだ。
まあ、『下につけども従わず』とか言ってるから関わりは余り無さそうだしそういうものなんだろう。

そんな風に考え事をしていたからか、次の曲がり角で向から人が来ているのに反応が遅れてしまった。

[←*] [#→]


[ back to top ]