これなんてガリバーですか。

かちゃかちゃとコントローラーを動かして、キャラクターを操作する。

よし、ここまできたなら…□を押せば大丈夫でしょう。

そう思って、□ボタンを押して、暇だなぁ。と思いながらじっとテレビ画面を見つめた。


キュッと、そのキャラクターがバンダナを結び直しているところに移る。

それをすべて見るのが面倒で飛ばして、結果を見るのも面倒で飛ばすためにボタンを連打した。


「あ」


レベルMAXだ。

初のレベルMAXが、まつさんってのもどうなのだろう…まぁいいでしょう。

放置してた利家さんをレベル上げしようかなぁ…。

エンディングをすっ飛ばして、メニュー画面。

ストーリーモードを選んで、二回だけプレイした事のある利家さんを選択した。

因みにストーリーモードと天下統一モードだ。

ここまではいたって普通の行動であろう。

けれど、物語の字幕が、なんだかおかしかった。


【〜一章〜利家誕生】


「え…?こんな内容でしたっけ?」


確か、けいじ、とやらを探しに行くのでは…?

疑問符を飛ばしながら、食い入るように画面を見た。


…そこで、私の意識は途絶えた。





目を開けると周りが巨人だらけでした。

これ、なんてガリバーですか?

ビックリして声を出すと、あきらかに高い声。


はい…?私こんな声でしたっけ…?


周りを見渡すと、ニコニコした女性と、高そうな着物が目に映った。


「犬千代、起きたのですね。」


「ぅぅあう」


犬千代?

声にだしてみようと思っても、赤ちゃんのようなマヌケな声が出るだけで言葉にならなかった。


「ふふ、わたくしは男子がたくさん生めて幸せにございまする。」


優しい手つきで私を撫でる女性に、もしかして。

と思う。


私が、犬千代なんでしょうか…?


なんだか、どこかで聞いた事がある名前のような気がします。




 

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