竹谷八重子(たけや やえこ)
「あら、八重子さん?そんなにはっぱくっつけちゃダメよ」
「あ、先輩!」
顔をあげると見知った顔。前世とは性別は違うけど、それは僕も同じなのでみないふりだ。
「女の子なのだからね」
「でも生物委員会のうさぎがにげちゃったんですよ」
「あらあら。そうなの。頑張ってね。私たちの花壇に入ってないといいけれど…」
困ったように笑う仕草が懐かしい。
けど、こんなことを言うと前世を覚えていない先輩は更に困ってしまうだろう。
新しい人生だけど、まわりは知ってる奴等ばかり。
あの時そばにいれなかった憧れの先輩もいる。
前は守れなかったし、フォローもできなかった。
けど、新しい世界は僕たちが戦わなくてもどうにかなるし、力がなくてもそばにいれる。身分の差もないに等しい。
僕は前世で、この人に憧れて、友人になりたいと思っていたけど、それは今世で叶えられたからいいんだ。
次の願いは先輩の子供を抱くことである。
だから、先輩長生きしてください!
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