図書委員会


他の委員会に顔を出し続けて、自分の入っている委員会には行かないって訳にはいかない。

ということで、今日は図書委員会だ。

ふぁぁっとあくびをしながら、図書室に入るとそこにはきり丸がいた。

今日の下級生はきり丸か。


「おーきり丸、今日はどうだー?」


「唐木田先輩じゃないっすか。今日も人は少ないですね、らくちんです」


「じゃあ、図書室の掃除をして、本の確認をしたら修繕もすっぞー」


「了解でーす」


掃除用具を取り出して、簡単に掃除をする。別にそんなに汚れてないんだが、汚れる前に掃除をしなくてはならない。

掃除を終えて、本があるかを念入りに確認。最近は下級生ばかりでまわしているから、本が盗まれても気付けない可能性があるからだ。

夜の図書室当番も下級生ばっかり。下級生に負担を強いて申し訳ないが、こうでもしないと他の委員会まわらんからなぁ…。


「特に問題はなし、か…うげ、まぁた潮江先輩が返却期限忘れてる…」


「またですかー?よくやりますよね」


「俺は言うの嫌だから、中在家先輩に頼んでおこう」


中在家先輩が来た時用にメモを取っておく。

潮江先輩の事、苦手なんだよなぁ…特に今の状態では会いたくない。

苦手な先輩と言えど、誰かにめろんめろんになってる状態を見て何が楽しいってんだ。俺は吐き気しか覚えん。


「よし、じゃあ本の修繕するか」


「唐木田先輩、お駄賃はくれるんすか?」


「…しょうがねぇなぁ。夕飯の小鉢を一品やるよ」


「ほんとですか!約束ですよ!」


「おう」


お駄賃は?と聞いてくるのはいつものことだ。

最近は先輩や、先生も忙しそうだから言っても答えてくれる人が少ないのだろう。普段より嬉しそうにニマニマ笑っている。


「もっと頑張ったら飴もやるよ、こないだ使いで町に出たんでついでに買ってきたんだ」


「ありがとーございまーす!」


「図書室ではお静かに、な?」


「はい!うえへへ」


金をやる訳でもないのに、ここまで喜ぶとは…きり丸もやっぱり寂しいんだな。って事は、久作も怪士丸も寂しがっているかも知れん。

今度からもうちょっと図書委員会に顔を出そう。不破先輩も中在家先輩も顔を出す時間が少ないだろうし。

…俺のスケジュール…どうにかしなければ。



 

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