弐
やばい。馴染めない。
クラスの中で、保健委員に任命されたのはまぁ、嫌だけどまぁ許す。
けれど、まわりに居る子で遊ぼうって子がいないのだ。私の今のコミュ力は底辺で、返事が遅いし、声も小さい。
元気の塊のは組に何故なった!と言ってもいいくらいの勢いだ。
お前、ろ組に行けよー。とか軽度の悪口をよく言われる。い、イジメよくない!
って、これは私が悪いんだけど、どうすればいいのかわからないのだ。
ウジウジウジウジ悩みながら、今日も誰とも話せなかった。と部屋に戻って不貞寝した。
「おい、おい!!」
「……は、い?」
「お前起きろよ!!今から遊びに行っからな!」
「…ぇ?」
「声がちっけぇんだよ!!もっと大きく喋りやがれってんだ」
「も、申し訳ございません」
寝ていた所を、いきなり叩かれ起こされる。
誰かと思ったら、同室者の子だった。因みに会話は初日の挨拶のみ。
心の中ではベラベラ喋っていた私だけど、向こうは喋らない私にイライラしていたようで、ぶっすりとした顔をして無言になってしまった。
この部屋超静かーって部屋を作りだしていたのだけれど、これはどういう事なんだろ。
「タラタラしてんじゃねーよ!!あと、敬語すんな!うぜぇ!!」
「ぇ、えっと…ご、ごめんなさい」
「ごめんなさいなんて、男らしくねぇ!!すまんだろ!すまん!!」
「す、すまん…?」
敬語をするなと言われて、謝ったら、更に怒られた。
え、喋り方がうざいって!!私、男になってからずっと敬語を教育されてきたんですけど!!
かといって心の中で普段使ってる言葉を使っても怒られる。私はそこまで女の子らしい口調じゃないのに、どうすりゃいいのよ。
「さっさと起きろ!準備しやがれ!」
「な、なんで?」
「はぁ?最初遊ぶつっただろうが!テメェの耳はゴミクズか!!」
すっごい口悪い!この子やばいくらい口悪いよ!!
罵られて、すぐに服を整えて髪を結んだ。服は制服でいいらしい。
手をすごい勢いで引かれて、引きづられないようについて行く。
「…ど、こで遊ぶの…?」
「女みてぇな口調やめろ!きめぇ!!裏庭でドッジボールやんだよ!」
「で、でも、この口調やめたら、どんな喋り方すればいいかわからないよ」
「俺のマネすりゃいいだろ!俺はおめぇの敬語が気にくわねぇ!女みてぇな喋り方も気持ちわりぃ!」
えぇー…
ぷんすか怒鳴りながらも私の手を離さない同室者、夢飼町数寄(むしまち かずより)に若干引きつつ、私を輪の中に入れてくれようと頑張ってくれていると勝手に解釈
なんでこの時代にドッチボールがあるのだろう。なんて事はもう無視して、遊んでいる連中が見えて慌てて口を開いた。
「夢飼町くん、私を仲間に入れていいの?」
「くん呼びなんて気色わりぃ!名前で呼べ!!俺もお前のこと名前で呼ぶ。仲間に入れたくねぇなら誘う訳ねぇだろグズ!!」
「ぅ、あ、ありがとう!」
「おーい!!二助連れてきたぜー!!」
ぶんぶん手を振って連れてきたぞーと注目を集めた。
ちょっと恥ずかしいが、ぼっちから脱出できる切っ掛けになるのだったら我慢するわ!
オリキャラ設定
夢飼町数寄(むしまちかずより むし ちょう すき 虫超好き)生物委員
男が女みたいな喋り方をするのが気にくわない。いつも怒鳴ってて口も悪いけど優しい。
主人公の喋り方は女中さんをマネしてるので、ちょっと変な敬語です。
[ 2/4 ]
[*prev] [next#]