落乱 立花とメタな話 最初だけ書いて放置。
2011/10/14 22:16
一話目だけ書いて、これ…絶対進まん…と思ったけど、勿体無いのでココにおいとく。
実習が終わって、長屋の廊下でお茶を飲んでいると、髪の毛がザンバラな立花が現れた。
実習で失敗したのだろうか。い組の中でも優秀な立花がそうなるなんて珍しい。
「うわーもったいねぇ。立花髪切られたのか?」
「…」
「だんまりとかひでぇな。潮江に見付かる前に俺が整えてやんよ」
目に見えて落ち込んでいる立花に、ニカッと笑って、クナイでいいかな。と適当に刃物を手に持った。
俺の隣に座った立花の髪の毛を、スパスパ適当に切って、やべ、切り過ぎちゃった。
と思いつつ黙って整える。
…潮江より短くなっちまった。
「暫く結うの大変だと思うけど、頑張れよー」
「…」
「髪の毛の墓作るか。墓と一緒に今の気持ちも埋めちまおう」
俺がこの間ふざけて作ったヘンテコな刺繍の入った布(フンドシの残骸)に、立花の髪の毛を包んだ。
そのまま黙って付いてくる立花を引きつれて、目立たない位置に穴を掘り始める。
何かの恨みを晴らすような手つきで立花もクナイを使って掘り始めた。
掘るのは立花に任せて、俺は手ごろな石を見つける事にする。
だって、俺墓作るって言っちゃったし、それっぽくしないと立花怒るんだよな。
普段の生活上での発言には真摯に答えるのがい組の隠された鉄則である。別に隠してないんだけどね。
「立花、この石よくない?それともこっち?」
「右手に持っている方が、墓には、よいのではないだろうか」
「なるほどーじゃあこっちな」
石を持ってくると、立花は普段通りに戻っていた。
何時の間にかさっき掘っていた穴は埋まっている。
なるほど、気持ちを埋めたのな。
「これでーよしッ」
「それっぽいな」
「だろー?ほかの奴らに掘り返されないと良いな」
「掘り返されても困るものでもあるまい」
「そうか。じゃー食堂行くか」
「わかってる。先に行っていてくれ」
「りょーかい」
立花と別れて、井戸で手を洗う。
土の所為で淀んでいく水を見ながら、あんなに落ち込んだ立花は久しぶりに見たな。
と一人ごちた。
やっぱり、五年最後の実習はキツイわ。
主人公は立花と同じい組。実技には強いので、実習ではかすり傷程度でした。
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