落乱 最初だけ書いて放置の話。
2011/10/10 02:35
【はんぶんこ】
だんまりな青年がいた。
その男は、喋った声を聞いた事がないと有名で、友人も少なくいつも不機嫌。笑った表情も泣いた表情も見られた覚えもない、ちょっと変な奴でした。
でも成績優秀でしたので、忍者の学校で六年過ごしてもぴんぴん生きてました
にこにこ笑っている少年がいた。
少年はいつも笑っており、大きな声でよく喋っていた。
笑った表情と泣く表情しか見られた事がなく、にこにこ笑いながら泣いていて気味わるがられていました。
忍者の学校では、成績はドベ中のドベで、先生からは一年のうちに死んでしまうのではないかと目をかけられてました。
なぜそんな二人が生まれたか、それをご説明いたしましょう。
ずばり、前世で悪いことをしたからです。
悪いことというのは、親よりも早く死ぬ事でした。
よくいるのです、こういうタイプ
神様は比較的簡単な罰で許す事にしました。
魂をはんぶんこしたのです。
感情もろともはんぶんこ。半分の比率がおかしくても気にしません
今生のうちに二つが出会わなきゃ、魂の消滅が待っています。
片方が先に死んでしまったりすれば、もう片方に魂が飛んでいって一つになるこたなるんですが、消滅されると書類を書くのが 面倒なので、ちゃっちゃと出会ってくださいね。
出会えて、今生が終わったらきちんと輪廻に入れますから!
さぁ行ってらっしゃい。
私に手間をとらせないでくださいね。
あ、ちゃんと出会えたらあなたたちの半分を足しておくので片方が死んだりはしませんよ。
半分にされた。
俺の、俺の何が悪かったって言うんだ。
ただ、交通事故に巻き込まれただけだろ。
そう思いながら、ただつらい人生がスタートした。
乳幼児からはじまって、泣く事ができずに鬼子と嫌われた。
しかたないじゃないか、涙はもう片方が持って行った。
笑えと叱咤を飛ばされた。
しかたないじゃないか、笑顔は片方が持って行った。
笑いたい、泣きたい、喋りたい。
そう思っても、でてくるのは不満そうな表情だけだ。
勉強と運動はできた。
父母に、学校に入れられた。
いや、捨てられたといっていいだろう。あの人たちは帰ってくるなと言い、一年分の学費を払っていなくなった。
殺す勇気などがない臆病で優しい人たちだった。
学校に入って六年目
探しているのに、片方はみつからない。
もしかして、片方は死んでしまったのだろうか。
俺が勉強と運動ができるのだ。
片方はそれができないに決まっている。
早く探さなければと焦るが、アルバイトが忙しくて時間がなかった。
学園が上がるごとに跳ね上がる学費に頭を悩ませて、夜の道を走った。
片方だからと、同じ年齢だと決めつけていた。
落とし穴に落ちて、にこにこ笑いながら、ぼろぼろと涙をこぼしている秋康に付き添いできたきり丸は苦笑いを浮かべた。
「なんで笑ってんだよ。いてーんだろぉ?」
「それは何で生きてるのーって聞かれてる感じだよー」
落とし穴からでようとして、ずるずる滑っている秋康に手を伸ばす。
「ありがとーきり丸はやさしいなー」
「は組の奴ならみんなやるよ、秋康ドジだから」
「そのこころはー?」
「タダで助けるのはイヤだから駄賃くれッ!」
「じゃあぼくのオカズを一品でー」
「乗った!」
引き上げた秋康を、きり丸は手をつないだまま連れていく。
秋康は、は組の中で一番のドベだった。アホでドジで方向音痴。
そんな秋康はいつもは組の誰かしらと手をつないで歩いていた。
秋康の両親が、少しでもドジでアホなのが改善されますようにと学園に入学させたのだが、特に改善される事なく学園の底辺をさまよっているのである。
「中在家先輩に怒られるから着替えていー?」
「おま、今着替えるために長屋に向かってるだろ」
「あれーそんな会話したっけー」
「先週も落ちただろ!展開が一緒だからわかるっつーの!」
「きり丸様ステキーやさしー」
「おだてても何もでんぞ」
「知ってるよー 」
にこにこと笑顔しか見あたらない秋康でしたが、そんな秋康は一年は組で弟のように扱われてます。
ドジでアホだけど、愛されて生きている元気な子なのです。
ちなみに委員会は図書で、入ったはいいけれど、ドジをして使えないのでにこにこと入室者を眺めるのが仕事です。
スペック だんぞうよりも字が下手。
六年生の片方と、一年生の片方が、地味にすれ違って出会わないけど、最終的に出会う話。
に、しようかと思ったけど、ぱっぱと出会って普通の話になっちゃいそうだからなんとも言えない。
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