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「カミュ!今日はなんとクリスマスイブです!」
「ん?……ああ」
「あれ、もしかしてロトゼタシアにクリスマスってなかった…?」
「いや、あったぞ。なんか夜にご馳走食って祝う日だろ」
「そうそうそんな感じ。……なので、」
「あ?」
「なんと今日の夜はご馳走です!」
「おお……そりゃいいな」
「でしょ!この日の為にバイトでお金も貯めたし、準備は万端!帰りに色々買ってくるので、カミュも身体を動かすなどして夜ご飯に備えるべし!……んじゃ、学校行ってきます!」
「……おう、行ってらっしゃい。気を付けんだぞ!」
「はーい!楽しみにしててね〜!」





「たっだいま〜!」
「おう、おかえり。って、また色々買ってきたなこれは…」
「ふっふっふっ、今日は豪勢にするって決めてたもんね!それに明日の分の食材もあるから、尚更多く見えるのかも」
「なるほど、そういうことか」
「さて、と。準備するぞ〜!温めるからカミュも手伝って〜」
「ああ、任せろ。取り敢えず皿出しとくな」
「うん、お願い!」
「……よっと。すげぇ、こんなに料理が並ぶとなんつーか、壮観だな…」
「カミュ〜!これ温まったから持ってって〜!」
「おう、わかった」
「ふっふふ〜ん、ふっふふ〜ん!よし、ひとまず準備終わり!ねえカミュ、ジュースどっちがいい?」
「ん?ああ、オレは……左の方で」
「はーい!持って行くから先座ってて〜」
「あいよ」
「あううう…照り焼きチキン…ポテト…サラダに…ピザ…スープにジュース…うううぅ美味しそう…」
「……ほんとだな」
「んじゃ、用意も終わったところで食べましょー!いっただっきま〜す!」
「いただきます」
「あーむっ……ん〜!おいひ〜!!」
「…………。」
「うへへ〜幸せ〜」
「……なあ、なまえ」
「……ん?どうしたの?」
「水差すようで悪いんだけどよ」
「うん」
「学校には仲良いヤツらが沢山いるんだろ。よかったのか、オレなんかと過ごして」
「……え?」
「別にいいんだぞ。オレの事なんか放っておいて。よくわからねえ勝手な理由でお前の家に上がり込んで、その上随分と世話になっちまってるんだ。こんなに良くしてもらう身分じゃあない」
「……うん」
「今朝だって言ってたろ。この日の為に金貯めたって。すげえ嬉しいけどよ。それは──」
「ねえ、カミュ。カミュはこういうの嫌?」
「なっ、別にそういうわけじゃ…!」
「ううん、ごめんね。質問に質問に返しちゃうのはダメだね。……うーんとね、わざわざ言うことでもないかなって思ったから言ってなかったけど、同じ学科の友達とかからは誘われたりはしたよ。集まってパーティーしないかーって」
「……ああ」
「でも、カミュと一緒にご馳走食べたいから断った!」
「……!」
「だからそんなこと気にしなくていいんだよ。今日ここにいることも、こんなお料理買ってきたのも、全部私がしたくてやってることなんだから」
「なまえ」
「あ……でも、ほんとに私が勝手にやっちゃったことだから。嫌ならごめんなさい。片付けるし、一人になりたいって言うなら暫く外に出てるよ」
「いいや、んなことはねえよ。ってかもう暗いのに外に出て行かれても困る。危ねえだろ」
「うっ」
「それに……その、まあ、なんだ。オレ、今までこういうクリスマスの明るい雰囲気みたいなものとは縁がなかったからさ。浮かれて、ガラにもないこと考えてたみたいだ」
「うん」
「だから……その、上手く纏まらねえけどよ。料理は美味いし、楽しいし。こうやって過ごせて嬉しいよ。サンキューな、なまえ」
「わっ、わわわっ!?」
「へへっ」
「突然何するの〜!?やめろやめろ〜!!」
「ははは、髪ボサボサになっちまったな」
「ううう…カミュのバカちんめ…うううう…」
「悪い悪い」
「誠意が感じられない〜」
「……おら、口開けろ。美味そうなポテトだぞ」
「むぐっ、おいひ……。仕方ない、今回はポテトくんの美味しさに免じて許してやろう…」
「単純だよなぁ、お前」
「うるさい!そうと決まれば、気を取り直して食べるぞ〜!ほら、カミュも!ぼーっとしてると私が全部食べちゃうよ!」
「はぁ?それはいくらなんでも食い過ぎだろ!?」
「うるさーい!それいただきっ!」
「あっ、てめぇ…!」




「そうだカミュ!」
「あ?」
「ちょっと早いけど、メリークリスマス!」
「……ああ。メリークリスマス」



なんだかんだでロトゼタシアにもクリスマスと似たようなものはあるんじゃないかな?と思ったので書きました。メリークリスマス!
2019/12/25