忘れたいと願ってる
常にそのことを願ってる
それでもこの忌まわしい記憶は
私の中にこびりついて離れない
どうして どうして
あんなに幸せだった記憶はすぐに流されるじゃないか
忘却の彼方に消えてゆくではないか
それなのにどうしてこの忌まわしい記憶たちだけは
消えてなくならないのか
海は残酷だ
美しいものだけその身に取り込み
汚いものだけ浜辺に残す
どんなに忘れたいと願っても
海はそれを聞き入れず
辛い現実だけを突きつける
これだけ私が願っても
海はこの忌まわしい記憶を流してはくれないのか
忘れたいと
願うほど、
その記憶は
こびりついて
離れない
記憶に残るのは、忌まわしい記憶だけ
2008,4,2