ねこのこだれだ
皆様からのリクエストで→総受け/コスプレ/大人のおもちゃ/とりあえずみんなで濡れ場/R18
※本編とは別物として読める方以外はUターンして下さい。
〈ねこのこだれだ〉
僕は今日も朝から無駄に広く、且つその端々まで綺麗に整えられた庭園の中を全力で駆け抜けていた。
つなぎに付属されてるフードを目深に被り、死んでも離すもんかと必死で抑え付けながら、一心不乱に走り続ける。
「藍沢あぁああ!待てやゴラァアア!!」
その理由は単純で明快。
後ろから阿修羅みたいな顔で追いかけてくる赤井君が迫ってきていたからだ。
「逃げてんじゃねぇ!てめえ後でどうなるかわかってやってんだろうなあっ」
「ひいぃぃぃ…っ!」
もうかれこれ一時間は走り続けてるのに赤井君のスピードは一向に衰えない。
「はっ…はっ、も、むり…っ」
息苦しさに顎が上がり、足が縺(もつ)れて感覚が鈍くなっている。
このままじゃいずれ捕まってしまうのは目に見えていた。
追い回されるのが毎日の日課になりつつあり、散々逃げ回った後で結局捕まり無理矢理服を脱がされる、という事が何故か多くなっていた。
今のところは運良く逃げおおせているけれど、それももう限界だろう。
(相手は僕じゃなくてもいいんじゃないかという疑問はこの際置いといて)
あんな生殺しのまま放置され続けたら、健康な男子高校生なら堪らないはずだ。
一応自分も思春期を経てここまで成長しのだから、その気持ちは大いにわかる。
でもだからと言ってそれがなんでも許される訳ではないのだ。
後ろから強く土を蹴る音が近づいてくる。
フードを握る手にじっとりと汗が滲み、心臓が跳ねる音がさらに大きくなった。
「…っ、誰か、助けっ、、!」
「ばーか、助けなんか来ねえよ」
耳元で低い唸り声が聞こえた気がした。
強い力で腕を捕まれ、揺れる視界と共にあっという間に花壇の中に引き倒されて、冷たい土に背中を打ち付けていた。
急いで上半身を起こし身構える。
衝撃で揺らいだ視線をようやく正せば、鳩が豆鉄砲を食らったような変な顔をした赤井君がこちらを見ていた。
「おま…、それ」
「……」
複雑な表情の赤井君が指差したものは、僕の頭の上のそれがぴくぴくと不規則に揺れる。
「なに、そういうの趣味だったのかよ」
「ちっ、ちがっ、これは…っあ、朝起きたら付いててっ」
慌てて頭髪の間から出てる耳を抑えるけど、もう後の祭り。
頭を抑えたはずの指の間からは、触り心地の良さそうな真っ白なの耳が覗いていた。
「…ねこ……か?」
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