19*
見れば弄られすぎて真っ赤な乳首も、さっき達したばかりで萎えていたはずの性器もすっかり立ち上がっている。
もしかしたら今の衝撃で一回イったのかもしれない。
「あ…あ…っ」
見開いた目からぽろぽろと涙がこぼれ落ちる様は、痛々しいけれど何故か俺の気持ちは満たされていった。
上体を倒して耳元に口を近づける。
「全部、入りましたよ」
びくびくと震える体が俺の欲情をいっそう煽った。
えのもとさん、と息も絶え絶えに呼ぶ声が何ともいじらしい。
尋常じゃない可愛さにとてもじゃないけど正気を保っていられない。
しかしその気持ちと同時にわき出てくるのは醜い嫉妬だ。
「これ、俺以外にもやったんすか」
「…え」
視線を動かして尻尾が巻き付いている腕を指し示せば、訳が分からないと揺れる瞳。
一瞬の空白の後、顔面に焦りの色を浮かべて視線を反らされた。
「やったんだ」
「だっ、だってっこれ勝手に…っひあああ…っ!」
「……」
ずるりと引き抜きながら耳に歯を立て、強く腰を打ち付ける。
「あっあっんあああ…っ!」
「…っ」
わざと前立腺に当たらないようにしているのに、気持ちよさそうに鳴くから不思議だ。
こんな体をしていたら、例え本気で嫌がっていても相手にはそうは見えないだろう。
余計煽られるだけだ。
上体を起こし足を抱え直す。
見下ろせば、さらけ出されたのは桜の花びらのように薄く色づく姿態。
大した抵抗もできずされるがままになっているこの人を目の前にすると、何故か酷く泣かせたくなる。
むくむくと沸き上がってきた欲望に従うように、俺は口を開いた。
「イきっぱなしで辛いのと、痛くて辛いのと、…どっちが良い?」
「…そ、……れ…って…ど、いう…」
何かを感づいたのか頬が引き攣っている。
「わかりました。どっちもっすね」
「!え…っ、あっ、いた…っ!?なっ、あ、ああっ」
腰の角度を変えて前立腺を擦りながら脹ら脛に歯を立てる。
右手は性器の亀頭だけを集中的に擦った。
一度イったばかりで刺激が強すぎるのか、逃げていく腰を追って更に奥まで突き入れれば声にならない喘ぎを漏らしてがくがくと全身が震えた。
「やっやっ、それっ、だ…だめ…っ、ひっ、あぁああっあ…っ!」
それは思う通りの反応だったので、もちろん動きを止めたりはしない。
戸惑いを含んだ瞳を見開き、力が入ってシーツを掴む指が白くなっているのが見えた。
足をぴんと張って全身を硬直させているが、逃さないように腰を打ち付けながら更に亀頭を擦れば悲鳴に似た喘ぎ声が部屋中に響き渡った。
「でちゃ…っなん、なんか…っあああーっあーっあーっ」
それと一緒に聞こえるのは水音。
未だに動かし続けている手に握られている亀頭の先からはぷしゅっぷしゅっと透明な液体が断続的に吹き出し続けている。
「いやだああっ、でっでてるっおしっこ…っ漏れてっひあああっ」
がくがくぶるぶると震える太股が堪らなく美味そうだ。
それを撫で回しながら、啄むように顔中にキスの雨を降らせた。
「これ、おしっこじゃないっすよ」
「あっ?っ、なに、や、もっ、離し…っあああ……っ!」
「潮吹きって知りません?」
「し、知ら…っ、ん――っ」
「そう。…じゃあもう少し味わって」
押し殺したような悲鳴と、背中に回されてシャツを掴む腕に何時になく心が満たされていく。
知らないうちに上がった口角もそのままに、涙が滲む目元にまた一つ口づけを落とした。
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