18*

榎本さんが下着の中から取り出したものに、僕は息を飲んだ。


「…っ!?!!な、な、なななにそれ…っ」

「だから言ったでしょう。俺のはもっと広げないと入んないって」


血管が浮き出てガチガチに熱り立っている。

理事長のだって十分過ぎる程大きかったのに、榎本さんの性器はそれを遙かに上回っていて、僕が身を縮込めるには十分だった。


「む、むむむ無理ですそんなの…っ」


夢中で頭と手のひらを振った。


「あ゛?他の男は良くて俺のは無理たぁどんな了見だよ」

「そ、そういう事じゃ、なくて、、わあっ」


シーツを逃げるように蹴った足を、捕まれ引き寄せられてしまう。
性器をくっつけられた秘部が熱い。


「無理、やだ、違う、…あんたはそれしか言わねえ」

「…っ」

「そんな口だけの抵抗、脳味噌猿以下の野郎共にはリップサービスに聞こえるんじゃねえの」


「…っ」

「ほら当てただけでもう先っぽ飲み込もうとしてる」

「ち、ちが」

「こんなに慣らされて…」


舌打ちに室内の空気が震える。
榎本さんの苛立ちが伝わってくるようだ。
実際にぐずぐずに溶ろけきった穴は、待ち望んでるみたいに収縮を繰り返し夢中で性器を引き入れようとしている。


「言っとくけど、俺まだ怒ってっから」

「ふ、い…っああああ…っ」

「ねえ、わかってんの?」

「あっあっ、い…いたっ、ひぃ…っ」


ミチミチと音を立てながら圧力をかけられる。

その進入は亀頭を飲み込んだところですぐに止まって、責め苦のような痛みが襲ってきた。

うまく息が出来ない。

今までとは比にならない程の痛みを感じ虚ろな意識の中視線を泳がせれば、榎本さんの腕に尻尾が震えながら絡み付くのが見えた。


「痛くなきゃお仕置きにならんでしょーが。ほら、緩めて」

「ひ!あ、ああーっ」







side榎本



無理矢理突き入れられたのが相当痛いのか、仰け反って目を見開いたまま硬直した藍沢樹を見ていた。


紅潮した頬。

恐怖と愉悦を混在させたような目。

それからどんな痛みも快感に変えてしまうこの体は、刺激の少ないこの学園では毒のようだと思った。


晒された白い肌に点々と散らばる赤い痣を見つけ、腹の奥で仄暗い炎が揺れる。

無造作に投げ捨てられたつなぎを理事室の窓越しに見つけたとき、頭に血が上りすぎて血管がブチ切れるんじゃないかと思った。

どうしてこうもこの人は色んな奴らに目を付けられてしまうのか。


確かにこの人には庇護欲を煽る何かがあるのは事実だ。
それが何かなのは言葉では表し難いが、その欲求を抑えられなくなる気持ちも理解できる。
だからこそ柄にも無く心配して気にかけていたというのに。


いっその事本当に閉じこめてしまおうか。


首輪を付けて。

鎖で繋いで。



そこまで考えて、ふとこれは独占欲というものなのかもしれないと思った。

それは今まで誰にも執着しなかった自分には珍しい感情で、とても醜くどろどろしている。


苛立ちのまま無遠慮に腰を押しつければ、辛そうに仰け反る白い喉元が見えた。

きめ細かい肌を霰もなく晒していて、その喉仏や浮き出た鎖骨をみるといつも噛み千切りたい衝動に駆られてしまう。


腕に巻き付いている毛並みの良い尻尾が甘えるようにぎゅうっと増えながら締まっていくのに気づいて、どくりと体中の血液が跳ねた。

無意識なのにこういう事を平気でしてくるから質が悪いんだこの人は。



無理に衝動を抑えるのをやめ、身体中に噛み跡をつけた。



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