15*
「ふふ、可愛い」
ふるりと頭を振った瞬間、榎本さんがベッドサイドに置いてある小瓶を取るのが見えた。
片手で蓋を開けながら僕の性器をもう片方の手で握りこみ、直接性器の上にとろりと零される。
「ひぁッ、、冷たっ」
その冷たさに思わず腰がガクガクと揺れる。
「ただのローションっすよ」
「だ、だ…って、ふ…ぅあっあっ」
「あー、やば。すげえ締まる。早漏になった気分」
雄が緩く浅く出し入れされる水音がローションに混じって更に大きくなる。
おまけに榎本さんに性器をしごかれて僕はただ喘ぐだけしか出来なかった。
「ちょっと力抜いて」
ぬらぬらと光る性器から手を離されて、榎本さんの長い指が後ろの穴に移動したのが見えた。
性器を飲み込んで既にギチギチの穴の周りを解すように指を滑らせている。
「…っ、な…なに…っああっ」
嫌な予感がして腰を引く。
もちろん後ろには理事長がいるからそんな事しても逃げられる訳はなくて、むしろ腰を揺らした事によって位置を変えた性器に前立腺を擦られて更なる快感を生んでしまうだけだった。
「俺のこと煽ってんの?」
「ちっ、ちが…っ、んーっ!」
「そうかそうか悪い猫ちゃんだ。そんな悪い子にはお仕置きしてあげなくちゃね」
膝裏を捕んでた手を右手だけ離されて、中途半端に開かれたままのシャツの隙間から乳首を摘まれてしまう。
膝裏を支えていた手が離されたせいで、ぶらんと放り出されてしまった右足を、今度は榎本さんの左手で抑えつけられた。
「はっ…あ、も…っ」
「はは、…あー、たまんねえ。…って、さっきから榎本君は何してんの?」
榎本さんはさっきから理事長の性器が入っている場所に念入りにローションを塗りつけていた。
「いや、具合を見てやろうと思って」
榎本さんの淡々とした様子が羞恥をよりいっそう煽り余計いたたまれない。
僕の不安な気持ちを表すみたいに、尻尾が榎本さんの左腕に巻き付いていた。
するとぬるぬると襞の間に擦り付けていただけの指がゆっくりと圧力をかけてきた。
「っ、あ…っも、入んない、よぉっ」
手を退かそうと体を丸めるけど、届かずに空ぶって宙をさ迷った右手は理事長に捕えられてしまう。
「具合?」
「ええ、それにどうせもっと広げねえと俺の入んねえし。暴れないでください。痛くしませんから」
「うう、嘘!ぜ、ぜったい痛い…っ、いっ…あ゙、あ、あ、あ…っ」
メリメリと音が聞こえた気がした。
見開いた目からはまたしても涙がぼろぼろと落ちた。
「は、はいっちゃ…ひあっ…ふっ…」
「泣かないで。ほら、もう痛くない、痛くない」
唇にちゅっと口付けられた。
榎本さんにそう言われると本当に痛くなくなるような気がするから不思議だ。
ちょうど前立腺を刺激しながら穴を広げるように指をぐるりと回される。
頭を振り乱していやいやと訴えるけど手は止まってくれなかった。
「うあー、これもう生殺しだよ。…っ締まるっていうかうねるって感じ。ぐにゅぐにゅしてる」
「……顔面ぐちゃぐちゃにしてやろうか」
「ぐ…っ、わかったわかった。もう喋りませんよーだ」
指が抜けていくのと同時に足が解放される。
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