13*

僕は理事長の魔の手から逃げようと、夢中で足をバタつかせながら体を捩った。


「ひ、いや、いやだぁぁ…っ!」


膝裏を折り曲げられてお尻の穴にぴたりとなま暖かいものが触れた。


「ほお〜ら、入っちゃう入っちゃう」

「やめてっ、やだ、ほんとに…っ、おねがい、、あ、あ、あ…!!」


体をしならせ異物感に耐えるけど、身を引き裂くような痛みに我慢できず理事長の腕に爪を立てた。


「ひっ!…い、あ…っあっやだ、はいってっ」

「はっ…すげ…。きっつ…っあ、俺のがデカいのか。ちょっと力抜いてよ」

「あ、あ、う、」


もの凄い圧迫感と、穴がぎりぎりまで広げられている痛さに歯の根がガタガタと震える。

何より、他人のモノを体の中に納めているという事実を受け入れる事で精一杯だった。


「痛い?痛いよね。耳垂れちゃってるし、かわいー」

「んんう…っ!んっんっ、…ふぅっ」

「…はっ…後、半分…」


噛みつかれるみたいなキスをされながら、シャツのボタンを片手で起用に外されて肌が露わになっていく。
歯茎の裏や上顎をねっとりとなぞられ、口内をこね回されながら腰を一気に奥へと進められて全身が体がひきつったみたいに硬直した。


「ほぉら。…はいっちゃった」

「ひ…っ、う」

「あはは。そそる顔するのが上手いねえ」


痛くて痛くて、脂汗までかいてるのに腹に付くほど起立した性器が見えて、ぼろりと涙がこめかみを伝った。


「ち、ちが…こんなの…っひっ」


その瞬間僕の中に納められていた理事長の性器がゆっくりと動き始めた。

体中を這い回るぞわぞわする感覚が恐ろしくて溢れ出す涙を止められない。

宙をさ迷うやり場のない手が、不意に僕の膝裏を抑えつけてる理事長の手に触れた。


「ひっ、ごめんなさ…っ、ぃ゙ああっ!」


慌てて引っ込めた左手を右手で握りしめる。

もう既にぐしゃぐしゃの僕の顔を見た理事長が、至極楽しそうに笑みを浮かべながら上唇を舐め上げたのが見えた。


「うあ…っ、あっ、も、きら、きらいっ、、りじちょう、なんか…っ、ひっ」

「あー、…たまんねえなぁ」


卑猥な水音が部屋の中に響いて思わず耳を塞ぎたくなってしまう。



「何、やってんすか」






突然聞き覚えのある低く澄んだ声が聞こえて、理事長の動きが止まる。

声のする方を見ると、怒ったような顔でこっちを見る榎本さんがいた。


「!!あれ!?な、なんでいんの!?!!」

「どいつもこいつも…」

「だ、だ、だ、だって!据え膳だったんだもんっ!大体こんな格好で樹君一人残して出てった榎本君もいけないでしょっ」

「ひ…っ」


焦ったように理事長が喋り始めた瞬間、声が下腹部まで響いて、思わず声が漏れてしまった。


とっさに腕で口元を抑えようとすると、ベッドのスプリングがぎしりと鳴って、まっさらなシーツに手首を抑えつけられた。


目の前には綺麗な顔の眉間に皺を寄せた榎本さん。

吸い込まれそうな程透き通ったアイスブルーの瞳の奥に鈍い光が差している気がした。


「首輪でもつけて監禁してやりましょうか」

「――…っ」


榎本さんの冷えた瞳に射抜かれた瞬間、ぞくぞくと腰から背筋を駆け抜ける得体の知れない何かを感じて身を捩る。


「わわわっ。は?え、何っ!?どうしたのっ急にうねり始めたけど」




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