12*


「あーいいねそれ。チラリズムってやつ?そんなの誰に教わったの」

「!!」


よりいっそう笑みを深めた理事長にどうして良いかわからず、ついシャツを掴む手が緩んでしまった。

その隙に手首を捕まれベッドに縫いつけられてしまう。


「…っ!や、や…っ」

「相変わらず樹くんの抵抗ってちょろいよね。榎本君に護身術でも教わった方がいいよ」

「ぅ…っ」


すっかり隠すものがなくった性器がねっとりとした視線にからめ取られて反応し始める。


「やーらし。もう起ってきてる」

「…うう……っ」


体が強ばるり涙が滲む。


「…おおお、お礼なら後日別に用意しますから」

「…別に?」


大げさに上下に頭を振る。


「例えば?」

「…か、…菓子折り…とか…?」

「いらないよそんなの。俺が今一番欲しいのは樹くんだもん」


一見可愛げな口調だけどギラつく目は野獣でしかない。

僕はなんとかここから逃げだそうと足をバタつかせた。


「逃がさないよ」

「ひっ」

「そんなに怖がらなくたっていきなり突っ込んだりしないから」

「…そ…言う、問題じゃっ…あう…っ」


すでに半立ちの性器を込まれて体が跳ねてしまう。

尿道口を爪で引っかかれて排尿感に似た感覚に腰が震える。


「口では嫌がっても体は正直だね」

「あっあっ、ちがっちがう…っ」


抵抗しなくちゃいけないのに、快感に支配されて身動きがとれない。


「…ああ、待ってね。いまこっちもいじってあげるから」


そう言うと理事長はベッドサイドの引き出しから小さな小瓶を取り出し、慣れた手つきで蓋をあけているのが見えた。

中に入っているピンク色の液体を性器にかけられ、お尻を伝っていく。


「つめた…っ」

「ローションだよ。切れちゃうといけないからね。…って言ってももうすでに真っ赤だけど。だいぶ酷くされたみたいだね。誰にこんなにされたのかな」


その液体と一緒にお尻の穴の皺を伸ばすようになぞった後、いきなり入れられた二本の指で内壁をぐるりとなぞられた。

前立腺を確かめるように押しつぶされて、僕は背中を仰け反らせた。


「あっあっ、や…っやっああっ!」

「さっきからそればっかりなんだから…。もうお尻の中ぐちゃぐちゃだよ。これなら入れても大丈夫そうだね」


未だに一度も達してないことが仇になってか、物欲しそうに理事長の指を締め付けてしまう体が恨めしい。


「ひあっ、…ちがっ、も、やだっ、や…っうえ…っ、ひぃ…っく…っ」



「お前の泣き顔って、…死ぬほど可愛い」



ぼろぼろとこぼれる涙をとめたくて、目元を擦る僕の耳に響いた低音にどくりと心臓が跳ねた。

荒い息づかいとカチャカチャとベルトのバックルを外す音が聞こえてきて息を飲んだ。


「この前は寸前の所でお預けだったし、いいよね?」

「…っ!?」


さも当然とでも言うようにズボンをくつげ始める理事長が見せつけるようにチャックを下ろして取り出したのは、もう臨戦態勢に入っている生殖器。

ギンギンに熱り立って血管まで浮かんでいる赤黒いそれに、僕は急激に肝が冷えていくのを感じた。


「む、むむむ無理…っそんなの…っ」

「大丈夫大丈夫!俺上手いから!ね?」


何が大丈夫なのか全然わからない。




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