3

「なに逃げてんの」

「だ、だって…っ」


ピンクのオーラどころか紫色のオーラまででちゃってる青柳君は、壁ギリギリまで追い詰めた僕を怪訝そうに見てる。

ち、近い…。


「…なんでYシャツ?」

「?」

「こんなのも着るんだ?…にしちゃあサイズ合ってなくね?」

「いや、あの…」


一気にまくし立てられると何から説明すればいいかわからなくなる。
おまけに僕が悪いことをした訳じゃ無いのに何故だか心臓がドクドクと波うっている。
助けを求めて先生を探すけど、ベッドの上にまだいるらしい少年とぎゃんぎゃんと喋っていてまるで視界に入ってなかった。

どうしよう。

顔近い。

目力ハンパない。

怖い。

逃げたい。

蛇に睨まれた蛙のみたいに顔を背けるしかできなくて、反らした首筋に息を吹き掛けられた。


「……ッ!」

「ワイシャツも結構いいね」

「!?…え、、…!?…ぃ、ぃたッ」


湿り気を帯びたなま暖かい物が触れた後ちりっと鋭い刺激が走る。

それはちゅっと音を立てて離れていったのですぐにキスマークを付けられたんだとわかった。


「な、なん」

「ちょっと!青柳せんぱいっ!そんなおじさんのどこが良いんですかっ!?僕と言う物がありながら…っ」

「うぜえ…。なんだお前まだいたのかよ」

「な!?ひ、ひどいです…っう、うう…」

「てめぇみてぇな尻軽一発ヤりゃあ十分なんだよ。さっさと消えな」

「ひっ、ひど…っ!!」


彼の可愛らしい顔は一瞬、ふにゃっと泣きそうに歪み僕の方をキッと睨んだ後、青柳せんぱいのばかぁぁぁー、とわめき散らしながら走彼は一目散にり去っていった。


「あーあ、かわいそ」


先生は真顔でそう言うとベッドのシーツをバサリと引き剥がした。
そして当事者の青柳くん顔は色一つ変えないで僕に向き直ると口の端をくいっとあげて見せた。


「……お前赤井のなんだよな。知らねえところで手ぇだしたら後で面倒なことになりそうだぜ。ーーそういや、停学明けで血眼になってお前のこと探してたぜ」



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