2*

ぬるりと濡れた物が穴に触れる。


嘘だ、まさか。

見なくてもそれが何だか分かる僕はもう男として終わってると思う。

抉るように押し付けられた舌に反応して、またヒクッと反応してしまう。

恥ずかしい。
押さえつけられて、虐げられて、それでも気持ちいいなんて、……なんて浅ましい。

くちゅりと湿った音が、非常階段の冷えた空間に響く。


「い、いやだ、…ねがっ、、やめて…、ひっ」


前のめりに抑えつけられているので、体重を支えてる肩と左頬が冷えて痛い。
涙がボロボロと溢れ出して蟀谷(こめかみ)を濡らした。

ひくっと喉を鳴らししゃくりあげると髪を梳かれる暖かい感触がして、目線だけを動かして見上げると金髪の子が笑ってるのが見えた。


「可哀想に。あっくんのテスト合格しちゃったみたいだね」

「て…すと?」

「そう。こいつ、尻フェチつっても形だけじゃなくて穴まで綺麗じゃないとダメなんだよ。あんたはお眼鏡に適ったみたいだな。おめでとう」


青い頭髪の子がぱちぱちと手を叩いている。


…う、嬉しくない。

抉(えぐ)るように舌を尖らせてゆっくりと抜き差しされる。

嬲られた穴の収縮はだんだんと激しくなっていってただでは収まりそうもなかった。
喜んでるみたいに賢明に舌を締め付けて、性器からは先走りが漏れ床を汚している。
じらされるみたいな温い刺激にもっと強い刺激が欲しいと思ってしまう。

恥知らずな欲求を振り払おうとキツく目を瞑って身を捩る。


「もっ、や…っ」

「舌に吸い付く…、慣れてんのか?いや、それにしてはキツい…」


ぶつぶつと何やら呟いてる赤井に言ってあげたい。
僕の顔はそこじゃないよ、と。
今やぐちゃぐちゃに蕩けきってしまったそこに、つぷ…っと異物が差し入れられて体が跳ねる。


「ひあっ!」

「おい、この穴誰かに使わせたことあんのか?物欲しそうに締め付けてくる割りにキツいんだけど」

「なっあるわけ、ない、でしょ…っも、やめっ、んんっ」

「嘘つけ、今日弄くられただろ。赤くなってるし石鹸の匂いがする」


腰が揺れるのを止められない。
指を曲げられ前立腺をピンポイントに刺激され、頭が真っ白になってしまう。


「んっ、あ…っ!ああっ」

「……さっきからエロいよお兄さん。俺も興奮してきちゃった」「泣き顔可愛いね。ちゅーしてあげる」


髪を捕まれて顔を上げさせられる。
少し乱暴な動きが、僕にはたまらなかった。
可愛い顔が近づいてきて割り開くように舌を絡め取られて、夢中でそれに答えた。


「じゃあ俺乳首ね」

「んんっんっ、んぅーっ」


Tシャツを捲り上げて赤く熟れて熱を持った胸をイジられる。
思いっきり体を仰け反らせるといつの間にか拘束されていた腕は離されている事に気づく。


自由に動かすことができるのに、逃げられないのはなんで?

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