再びの悪夢



ーー僕は今、数人の男たちに囲まれていた。


「随分良い物付けてんじゃん。これって犯してくださいの印でしょ?」

「お兄さんそういうの趣味なの?俺、そっちの趣味ないけど頑張っちゃおうかな」

「おいコラ、ケツを出せ」


ダラダラと流れ落ちるのは冷や汗であり、決して涙なんかじゃない。
僕の記憶が正しければ彼らが指し示してる場所にあるのは、榎本さんに付けられた首筋の噛み跡だ。


犯して下さいの印ってなんですか?
頑張るって何を?
すみません最後の人は何を言ってるのかさっぱりわかりません。

あの後あのままソファーで寝転けた僕が起きたのは8時過ぎだった。
お昼ご飯も食べ逃したせいで起き抜けに腹時計が鳴り、営業時間が夜9時までだと言う食堂へと急いで向かった。

寮の廊下には敷き詰められた赤い絨毯の上を歩いていると、3つの影が立ちふさがり、赤・青・黄色の見事な信号機カラーの頭髪の彼らに、物の見事に非常階段へと連れ込まれ、気が付けば背後には壁、眼前には薄ら笑いを浮かべて舌なめずりする3人がいた。


「…な、なんの事だかさっぱり――、な…っ、ちょ、やめ、」

「なあ、つなぎってどうやって脱がせれば良いんだ?」

「知らねえよ。チャック付いてんだろ」

「ああ、これか。お前らちゃんと抑えてろよ」


理事長に脱がされたときの事を教訓に、用心してベルトを付けてきたけど、まさかこんなに早く効果を発揮してくれるとは思わなかった。


「ちょ、ま、な――、うわぁっ」


腰骨に引っかかってそれ以上脱がせないと判断したのか赤い髪の男子生徒はベルトに手を伸ばしてくる。
せっかくベルトをしてても抑えつけられていたら意味が無いって事に僕は今の今まで気づかなかった。




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