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「菜音ちゃーん、おはよう」
『おはようっさい。』


昨日の今日。
奴はにやにや笑いながら私に挨拶なんぞをして来た。これをウザいと思わずなんと思う?なんとも思わないよ。


「菜音ちゃん、冷たいね。」


俺悲しい。わっと顔を覆って泣き真似をする折原くん。痛い、痛いよ。でも今、私は折原くんに冷たいからなんの反応もしてやらないから。


『もとからです』
「俺、そんな菜音ちゃんも好きだよ」
『私は昨日の抹茶クレープのが好きだよ』
「妬けるねー」
『なにが、折原くんの頭が?』


折原くん、この年で頭焼け野原ですかうわー同情しちゃう。でも同情しても私のクレープは帰ってこない

あぁ、もう本当に泣きたい。折原くんの顔見るたびにクレープ思い出しちゃって泣きたくなる。

美味しかったなー、あのクレープ…。抹茶本当に美味しかったなー……

ちら、と折原くんの方を見れば折原くんは何事もなかったかのように携帯弄っていた。何あの子最悪。

今までの声に出して呟いてたら私うっかり変人になるところだった。

…まぁ、いっか

今日はいつもより雲が多い日。あー、あの雲がわたあめだったらよかったのになぁ。

そうしたらこの寂しい心も満たされたかもしれないのに

雲が掴めたらいーのになぁ………






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