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『天島くん、君は最高だよ。ありがとう』
「どういたしまして。だけど俺と神原さん、席離れちゃったね」
『そうなの?』
黒板をもう一度見て天島くんの席を探してみれば、天島くんは廊下側の席になっていた
『本当だ。反対側になったね』
天島くんは、結構いいお隣さんだったので少し残念だ。寝てるときはそっとしといてくれるし、大事なときは優しく起こしてくれるし、話してても楽しいし。
「神原さんと離れるのちょっと惜しいなぁ。」
『私も天島くんと離れるのは寂しいかなー。短い間だったけど楽しかったよ。』
「神原さんにそう言ってもらえて嬉しいよ」
別れを惜しんでいたところに響く委員長の声。それを合図に皆は机を動かし始める。私は席変わんないから動かないけど
「じゃあ、またね」
『うん。バイバーイ』
机を持ち上げて移動する天島くんを見送る。がちゃがちゃと机と机のぶつかり合う音が教室を支配する
さて、次のお隣さんは誰なんだろうか。
そう思いながらぼんやりと隣に移動してきた人物に視線を移してみた
真っ黒な髪に眉目秀麗を具現化したような整った容姿。
なんかもう存在が胡散臭いなー。なんて、失礼なことを考えながらとりあえず「よろしく」とだけ言って机に突っ伏した
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