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「菜音は、いきなり出てくるなんて、驚くじゃないか」
『んー、ごめん。タイミングわかんなくてさ。あ、キツくない大丈夫?』
「軽いドッキリだったよね。アレは。うん、大丈夫」
私のいきなりの登場の後、平和島が驚きのあまりに冷蔵庫を落とすちょっとした事故があったけど、なんとか落ち着いたので私は折原くんの腕に包帯を巻くと言う至って簡単なお手伝いをしています。(冷蔵庫事故の後始末はセルティがしてくれました)
「にしても、神原さんと新羅が幼馴染みなんて正直驚いたよ」
『そう?』
「同じクラスなのに2人とも話したりしてなかったじゃないか」
折原くんの言葉に、そういえば学校で新羅とそんなに関わってないことに気づく。
まぁ、別に学校でも関わる必要ないからなんだと思うんだけどさ
「特別話すことも無いからね。その分、って言うのかな。家で話しているしね」
平和島の消毒をしている新羅の言葉に頷く。私、ちょくちょくここ来て新羅とセルティとご飯食べたりしてるし
「ふぅん。」
頬杖をつきながら、折原くんはにやりと笑みを浮かべた。あ、包帯巻き終わる
「ねぇ、神原さん。」
『なに?』
「俺もさ、名前で呼んでもいいかな」
語尾に"?"がついていない気がしたけど、気にする必要もなさそうなので、気にしないことにする
『お好きにどうぞ』
「ありがとう、菜音ちゃん」
『…あー、はい。』
ちゃん付けと呼ぶのの早さに鳥肌がたった、が、しかし。自分に暗示をかけてそれを乗りきることに私は成功した
「そういえば静雄くん。ずっと黙ったままだけどどうかしたの」
ぽんぽんと消毒を含ませた脱脂綿を傷口にあてながら、新羅が発した言葉に無意識に平和島に視線を向ける。
平和島は俯いて、ただ新羅にされるがままに手当てされていた。
「…別に、なんでもねぇ………」
「わー、大人しいシズちゃんとか気持ちわるーいっ!菜音ちゃんもそう思わない?」
けらけら笑う折原くんは置いといて、うん、まぁ…変に大人しい平和島は、うん
『…んー、私も笑って(たり百面相して)る平和島の方が好きかな』
「!…、あ、え、…神原……っ」
ぼぼんっとでも効果音つきそうな勢いで、平和島は一気に顔を赤くした。ついでによくわからないけど、すごく吃り始めた
そのすぐあとに手当てが全て終わったので、折原くんと平和島は帰っていった。
平和島は何かを言いたそうにしながら帰って行ったので、明日覚えていたら話を聞いてあげようと思う
「菜音、今日夕飯食べていったらどう?」
『食べてく』
【ついでに泊まっていけ】
『ホントに?じゃあ甘えようかな。セルティ、お風呂一緒に入ろ?』
【勿論だ】
「!?ずるい、ずるいよ!菜音!!」
さて、今日はセルティとラブラブするか
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