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ギィ、なんとも古臭い音を立てながら屋上の扉は開いた。

流石にHRも始まる前からサボりに来ているやつはいないらしい。…私を除いて
そこそこ寝心地の良さそうな場所を探して寝転がる。寝ていて暑くなく、日の当たらない場所。

ごろりと寝転がれば視界は一瞬で、空の青と雲の白だけになる

あぁ、なんて平和なんだろう。世界には私しかいない錯覚にとらわれたりは流石にしないけれど、とりあえず心地だけはよかった

目を瞑れば、途端に遠くなっていく意識。某国民アニメのめがねくんよろしく、私はすぐに眠りについた



♀♂


「――へぇ、シズちゃんと女の子が、ねぇ」


取り巻きの一人から届いたメールには、なかなか面白そうなことが書いてあった。

―平和島くんと、女の子が二人で登校してる

あの化け物と二人で登校するなんて、どんな物好きなんだろう。

あまり認めたくはないがシズちゃんはなかなか綺麗な顔をしている。(俺には敵わないけど)

だから、まぁ、女の子がよってきても不思議じゃないんだけど、この学校のほとんどの子はあの馬鹿力を見て恐怖を覚えているから、まず近付かないと思うんだよね

あの悪い意味で顔の広いシズちゃんと付き合うなんて、普通に考えたら有り得ないでしょ

そのあともメールはどんどん届く。

仲良さそう、だの。相手の女の子神経太そう、だの。平和島くんが笑ってる、だの

シズちゃんと女の子の話なんて、入学してから今までで聞いたことなんてこれがはじめてだ。

だから、好奇心が湧くのは仕方ないことだと思うんだよね

そろそろ二人が学校に着く。そんなメールを見て、屋上から校庭を見下ろす。そしつ視界に入ってきた光景に俺は驚いた


「―シズちゃんと一緒にいるの、神原さんじゃん……」






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