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そわそわ、そわそわ。
落ち着かない。
どんな奴なのか想像出来ないからだ。そしてどんな奴なのかを楽しみにしているから。
早く来い、ここを通ってくれ!タオルをぎゅっと握り締めながらひたすら待つ
あの落ち着ける雰囲気を持ったやつに早く会いたい
塀に寄りかかりながら、ふぅ、と息を吐く。
落ち着け、落ち着くんだ。こんな挙動不審じゃ話しかけた瞬間逃げられる可能性だってある
…むしろ、俺を見ただけで逃げちまう可能性だってある。
ぐずり、と胸を抉られたような感覚がした。自分で勝手に想像しただけなのに
(いや、でも、タオルと絆創膏くれたんだし、傘貸してくれたし…。大丈夫、か…?)
もう一度息を吐いて、学校の方を見つめた
♀♂
『あふっ…、だる…』
大きな欠伸を噛み殺しつつ、家への道をのんびりと進む。
今日は眠かったから全ての授業を寝て過ごしたのに、まだ眠いとか、私色んな意味ですごいと思う
(…あれ?)
欠伸で出た涙でぼんやりとする視界で、何となしに顔をあげて前を向いたとき、昨日と同じ場所にあの綺麗な金髪の彼がいた
…なにやってんだろ。まぁ、私には関係無いか。んなことより夕飯のおかずなにかなー
そしてそのまま彼の横(いや、前?どっちでもいいや)を通り過ぎようとしたとき、何故か腕を掴まれた。何故?
「お、おい」
『…はい?』
「あ、えーっと……」
自分で引き留めておきながら何故か慌てながら言葉を濁す、てかどもる金髪の人。一体なんなんだ
「昨日、これ貸してくれたのお前か?」
差し出されたのは昨日彼に一方的に貸した傘とタオルだった。絆創膏は使いきったらしい
『あー、うん。そうだよ』
よくわかったね。傘とタオルを受け取りながら何となしに呟けば、「お前な気がしたから」とか返事が来た。
それ以上話すこともないし、丁寧にタオルを洗っていることには感謝して、とりあえず早く帰って寝たい訳なので、「それじゃあ」と言って帰ろうとしたのだけれど、
「あのさ、……あー」
『……』
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