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「鬼ごっこでいい?わかりやすいでしょ」
勝負の内容はお千ちゃんの提案であっさり決まった。先輩たちは少し不満そうだったけれど、リオ君は何にも気にしていないのか、お千ちゃんにおかずをねだっている
「ちょっと、あんたは来る途中で散々貰ってきたでしょ!」
『あれは今後の食料にするから、お昼じゃ食べないのー。ねぇ?ちょーだい?』
「あぁもう!わかったから離れて!!」
『わーい』
そんなこんなで昼休みは終わってしまい、先輩たちはなんとも言えない雰囲気を纏いながら教室へと戻っていった
勝負は、放課後みたい
♂♀
ついに放課後になってしまった。
審判であるお千ちゃんがまだ来ていないので、鬼ごっこはまだ始まってはいない。先輩たちがぴりぴりとした空気を纏う中リオ君は…
『ねーお姉さん?僕と遊ぼう?』
上級生をナンパしていた。ついでに言えば上級生の方はリオ君に声をかけられて嬉々としている
「何やってんの。早く行くわよ!」
『あー、お姉さん、また後で遊ぼうねー?』
そこにやって来たお千ちゃんに首根っこを掴まれて、リオ君は私たちのところに強制連行された
「それじゃ全員揃ったところだし始めましょうか!」
お千ちゃんがそう言うと全員が笑った。…皆それぞれ笑顔の種類は違うけれど
「ルールは簡単。先輩たちは時間内にリオを捕まえられれば勝ち。リオは逃げられれば勝ち」
先輩たちが勝ったらリオは千鶴ちゃんにべたべたしない、リオが勝ったら特に何も無し。とお千ちゃんが言うと皆が頷いた。
リオ君には全くやるメリットは無いのだけれど、リオ君曰く『鬼ごっこ楽しいからそれでいいよー』らしい
そして、いよいよ鬼ごっこが始まった
「よーい、はじめっ!」