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「伊織てめぇぇぇぇえ!!」
『きゃー、こっわーい』


そのまま凄い勢いで廊下を走っていくのは有名転校生の如月伊織と有名鬼教師の土方先生だ


「伊織、また土方さんのこと怒らせたみてぇだな」
「今度は何をしたのかしらね。あの阿呆」
「…あはは」
「伊織。教師の間で"第2の総司"って呼ばれてるらしいぜ」
「えぇ!?第2の沖田先輩!?」
「土方先生で遊んでるからでしょ」


そんな話をされているとは全く知らないまま、伊織は土方先生の端正な顔が怒りに歪むのを見て笑い続けていた


♀♂


「…なにそれ、どういうこと」


転校生如月伊織の"第2の沖田"説は当然、沖田の耳にも届いていた


「そのままの意味だ。如月が近頃面白がって土方先生をからかっているらしい。…総司のようにな」
「…ふーん、そうなんだ。あの子が土方さんを、ねぇ…」


沖田は暫く考えるような仕草を見せたあと、悪戯を思い付いた子供のように笑った


「いいこと思い付いた」



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