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「さぁ皆!文化祭の時期がやって来たよ!」
学級委員の一言で教室内は歓声に包まれた。
今年は私たちにとって初めての文化祭。皆、文化祭が楽しみで仕方ないのがよくわかる。私もその1人だから
「出し物何がいいと思う?やっぱり模擬店かしら!」
「うん、模擬店楽しそうだよね!」
『うんうん、カフェとかいいと思わないー?』
「伊織にしてはいいと思うわ」
『千、ひどいなー』
くるりと振り返った伊織ちゃんは、楽しそうに笑う。伊織ちゃんもやっぱり初めてだから楽しみにしているのが伝わってくる
「じゃあ、何をやりたいですか?」
学級委員の声に反応して皆が一気に手を上げて、叫んだ
「「「如月君メインの執事喫茶!」」」
『え、僕?』
目をぎらぎらとさせる女の子たちに困り顔の委員長。ついでに伊織ちゃんは満更でもない顔している。
「却下!」
そう叫んだのはお千ちゃんだった。
「伊織は女よ?もし伊織メインの執事喫茶をやるんだとしたら、女子全員が執事をやらなきゃ」
そう言い放ったお千ちゃんに伊織ちゃんは悪戯気に笑って同意を示した。
『そしたら男子は全員メイドだね。うわー楽しみ!』
「「「っ!?」」」
声にならない声をあげて驚くクラスの男の子たち。メ、メイドさんだもんね…
「却下だ!」
「絶対に嫌だ!」
口々に叫び出す男の子たちに、女の子たちは不満そうな顔
委員長はそれを見て苦笑いしながら私たちに再び案を求めた