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はいはいどーもー。リオです。只今全力で逃走中です☆


「バイバイリオ君!」
『バイバーイお姫様方!』


その間も可愛いお姫様方への挨拶は欠かさないけどね。女の子はみなお姫様!優しく大切に扱わないとね!


「随分余裕なんだな!リオ!」
『お、一番手来たー』


逃げ出して最初に僕に追い付いてきたのは平助。さて、どうしようかなー…


『ねぇねぇ平助ー』
「なんだよ?」
『平助ってさー、千鶴のこと好きでしょ』
「!なっ…!」


ちらっと振り返ってみると真っ赤になった平助。…わかりやすすぎる、まぁ可愛いよねうん


「だ、だったら何なんだよ!」
『いや、頑張れよーって思って。競争率高いだろ?』
「そ、そうだけど…」


何だかもごもごしだす平助。隙だらけになったし…、跳ぶか。目標は…あの倉庫の屋根ってとこかなー


『平助ー、僕行くね』
「はっ?」
『よいしょっと、』


軽く足を踏み込んで…、ぽんっと軽く地面を蹴れば僕の体は浮かんで屋根落ちる。狙い通りに無事着地。


「あー!おいリオ!!降りてこいよっ!」
『やーだよっ』


喚き散らす平助を一度見て、僕は屋根を伝って移動を始めた。上からなら誰がどこにいるかすぐにわかるからね。反則?いやいや逃げ切る手段の1つです

何にも考えないでぽんぽん移動していたらいつの間にか体育倉庫の上に着いていた。周りは日陰でなんだかじめじめ〜っとしている。うん、嫌かも

とりあえず移動しようと僕は足を踏み出し―


『!』


―シュンッドスッ


そうとしてやめた。進行方向の先にあった壁には竹刀が突き刺さって、ビィィィィンと揺れている。さっきの一歩を踏み出していたら確実に竹刀は僕に当たっていた。…あっぶないなぁ


「あーあ、ハズレちゃったかぁ。当たると思ったんだけどな」


声のする方へと視線を落とせばそこには、悪どい笑顔を浮かべた…えーっと、沖田さんが、いた。


「君さ、ちょこまかと屋根の上で逃げ回らないでよ。苛々する」
『それは申し訳ないですねぇ』


苛立たし気に僕を見上げてくる沖田さんに僕はとびきり意地の悪い笑みを返してやる。そっちの都合を考えるほど僕は性格良くないから


「うわー、その顔ムカつくね。斬っちゃうよ」
『わぁ、物騒ですねー』
「うるさいよ。早く捕まっちゃえばいいのに…」
『それは―っ!』


嫌ですね、っと言葉を言おうとしたのだけれど、また目の前を横切っていった竹刀に驚き、言葉は喉の奥に隠れてしまった。危機一髪、竹刀は回避したけれど


『危なかったわー』


ふぅ、と息を吐くと下から不満そうな声が上がった


「ちぇっ、避けちゃったのか。折角僕が気を反らしてあげてたのに…」
「黙れ。貴様の気の反らし方が下手だったのだ。使えない奴め」
「…どういう意味かな?それは君の方でしょ?」
「なんだと?」
『…』


よくわからないが口論が始まった模様なので僕は逃げます。2人に気取られないようにそっと屋根を蹴ると、僕は体育館の屋根へと飛び乗った

そして反対側まで移動して、そっと下を見下ろした。…大丈夫、誰もいない

ひょいっと屋根を飛び降りて、僕は激しく後悔した。そこには―…

不知火先輩と、天霧先輩がいたから。


『……』
「……見つけちまったなぁ」
「見つけてしまいましたね」


顔を見合わせて2人は頷くと―、少し離れた場所にいた僕の方へと走り出した。


『えー、まじですかぁ』


本気と書いてマジと読む。そんな古いネタは置いといて、とりあえず逃げなきゃぁぁぁぁあ!!!!!

適当に走って跳んでナンパしながら逃げ回る。後ろを振り返ればめちゃくちゃ楽しそうな、それはもうめちゃくちゃ楽しそうな顔で僕を追い掛けてくる不知火先輩が見える


『ちょっ、死亡フラグびんびんなんですけど!』
「そうだなァ、諦めて捕まるか?」
『ティッシュに包んでお断りしますっ!』
「意味わかんねーから」
『!』


キッ、と音を立てて足を止める、後ろから不知火先輩来てるのになんでかって?…前から沖田さんと風間先輩が来てるからだよ畜生めぇぇぇぇえ!!!!!!

方向転換、不知火先輩に向かって走る。当然の如く不知火先輩は僕に触れて笑った


「ほら、タッチ」


その不知火先輩に僕は微笑んで、言った


『不知火先輩的には、今ので僕を捕まえられたと思ってますか?』


ちょっとばかし願いを込めて不知火先輩を見れば、不知火先輩はにやぁと笑った


「いいや、思わねぇ」
『ありがとうございますっ!』


不知火先輩は「まぁ、頑張れよ」と僕に言って走るのをやめた。あ、そう僕はずっと走ってるからね。会話してるけど気にしないで




 



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