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風間先輩の手を自分の手を重ね合わせて、フォークダンスを踊る

さすが風間先輩、っというのかダンスが大変お上手です。僕ダンスとかあんまりやったことないけど、先輩がリードしてくれるから踊りやすい

ちょっと余裕が出てきたから、周りを見てみる。すると最初に目に入ってきたのは千鶴と平助だった。お互いがあまりなれていないのか初々しさ満載のダンスになんか顔が緩んでくる

あれは正に癒し


「おい、どこを見ている」
『あ、すみません』


頭の上から降ってきた、風間先輩のちょっと苛立ったような声に急いで謝る。

そうだよね、ダンス中に余所見とか相手に失礼だよね。

しっかり前に向きなおすと、満足したような笑いが聞こえた

それから暫く踊ると、曲が止まった。もう終わりらしい


『終わった、みたいですね』
「そうだな」


終わったのにまだ手を離してくれない風間先輩に、どうかしたのかと僕は後ろを振り向いた。


『…!』


その瞬間だった。
何か柔らかくあたたかいものが触れたのは

目の前には目を閉じている風間先輩のドアップ。周りからは悲鳴が上がっている。

…なにが起こってる?


「…ふん、口付けしているときくらい目を閉じろ」
『…へっ?』


いつのまにか離れた風間先輩と触れていた温もり。そして僕はようやく気付いたのだ。自分が風間先輩にキスされたことに


『え…、まじかよ……』
「まじだ」


再び近くなる風間先輩、今度は首元に顔を埋められる。…擽ったい。そして離れて欲しい


「よかったな。貴様はこれで正式に俺の妻だ」
『……』
「喜びの余り声も出ないのか」


1人楽しそうな風間先輩。すごい困る。


「(伊織ちゃん、伊織ちゃん!)」
『?』


何処からか名前を呼ぶような声が聞こえてきて、声の方を見れば満面の笑みの千鶴と千と沖田先輩と無表情の斎藤ママンがいた。


「(風間さん殺っていい?)」
『…?』


何やら千鶴が口パクで伝えようとしてくれたのだが、よくわからなかったので、とりあえず頷いてみた

すると皆は最上級の笑顔で僕たちの方に走ってきて――…




風間先輩をぼこぼこにしましたとさ。ちゃんちゃん。




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