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僕らの茶店はなかなか好評で、僕は文化祭開始からさっきまでほとんど休むことなく働いていた。
途中不知火先輩が来てくれたことにより僕のやる気ゲージはぐいんっと急上昇。暫くはものっすごい頑張ったよ
そしてやっと僕は休憩時間を手にすることが出来た…!
『さーて、どこ行こうかな〜』
着替えるのは面倒だからそのままで。宣伝も兼ねて茶店の制服のまままわります。
廊下に出て周りを見ながら何処からまわってみるか考えてみる。
ちなみに千鶴と千はまだ働いています。メインが一気に抜けると大変だからって。あの2人ヤバイくらい可愛いもんね
本当は千鶴たちとまわる予定だったから、どこ見ようとか全然考えてなかった僕はとりあえず文化祭のパンフレットなるものを開いてみることにした
(…焼きそば、たこ焼き、林檎飴、クレープ……)
とりあえずお腹を満たしに行こう。自分達の茶店でもいいんだけど、それはアレだからね
人がいっぱいの廊下に、僕は足を踏み入れた。
♂♀
(どうしよっかなー)
もぐもぐと買ったクレープを頬張りながら、上級生の出し物である屋台の間を進んでく
「あれ?伊織ちゃん?」
名前を呼ばれて振り返れば、和服姿の沖田先輩と斎藤先輩がいた。…似合いすぎだろおい
『沖田先輩に斎藤先輩じゃないですか』
「うん。伊織ちゃん1人なの?」
『えぇ。千鶴たちと休憩合わなくて』
「じゃあ一緒にまわろうよ」
にこにこしながら手を差し出してくれる沖田先輩を前に、ちょっとだけ視線を斎藤先輩にずらす。
(…斎藤先輩、あの一件以来関わり無いからな……。)
僕いたら迷惑になりそうじゃない。っと言う考えに数秒で至った僕は沖田先輩のお誘いを断った。が、しかし。
「わかった。じゃあ行こっか。一君もいいでしょ?」
「あぁ…」
僕に拒否権など無かったようです。
「女の子1人なんて危ないんだからさ」
『…女の子?』
え、女の子1人ってヤバいじゃん。ナンパされてたりしたら助けてあげなきゃ
『ちょ、沖田先輩その女の子どこです!?』
その女の子のもとに向かおうとしたけど、どこにいるのかわからない。沖田先輩に問えば、呆れたような返事が返ってきた
「伊織ちゃんだよ」
『へっ?』
「今は女の子の姿してるでしょ」
『…あぁ!そういえば』
茶店の制服着てきてたんだった。さっぱり忘れていた事実。
「女子が1人でまわるなど危険だ。総司の言う通り俺達とまわった方が安全だ。」
『あ、ありがとうございます』
「あぁ…」
斎藤先輩は何故かよくわからないところを見ながら、喋っていたけど、なんか一緒に来てもいいよ、的な感じなのは伝わったので一緒に行くことにしました。
…まぁその前から強制で決まってたんだけど