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やって来たんだ。あの人が。出来れば一番この姿で会いたくなかったあの人が。


「伊織ちゃん、会いに来たよ」
『すいません帰ってください』


にこにこ笑いながら手を振ってきた沖田先輩に、息継ぎ無しでそう言った僕はチャレンジャーだと思いました

まぁ、そんなものが沖田先輩に通用するはずもなく…。沖田先輩は僕に悪戯っ子の残酷な笑みを向けてくださいました


「お客さんにそんなこというなんて…、躾が必要だよね」
『お席へご案内いたしますねー』
「えー、伊織ちゃん無視なの?」


とりあえず心を無にして沖田先輩を席に案内する。ここで下手に反応したら僕はもう玩具だ。玩具。土方先生と同レベなんてご免被る。


「伊織ちゃん、伊織ちゃん」
『なんですか?』


振り向いたと同時くらいに沖田先輩の手がお腹に回って引き寄せられる

そして、沖田先輩は私の耳元で囁いた


「それ可愛いね。似合ってるよ」
『〜っ!』


驚いてバッと顔をあげれば、ニヤニヤ顔の沖田先輩が映る。からかわれた…!


「あれ、どうしたの?顔赤いけど」
『…言われなれてないんですよそういうの』
「そうなの?こんなに可愛いのになぁ」
『…お世辞をどうも』
「お世辞じゃないよ。本音。伊織ちゃん僕のお嫁さんになる?」
『いやぁ、遠慮します』
「冗談じゃないのにー」


すりすりと何故か擦り寄ってくる沖田先輩に、若干困っていると千鶴がやって来て、僕から沖田先輩を素晴らしい手付きで引き離した。まじ感謝です

そして千鶴は男前に一言。


「私の伊織ちゃんに触らないでください!」


僕は全力で千鶴を抱き締めました。

千鶴可愛い、犯罪級に!




 



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