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伊織です。
久しぶりの僕視点。
出来れば今はやめて欲しかった僕視点。

とりあえず今、穴があったら全力で飛び込みたい気分です。

なんていうか…周りから好奇の視線と不審者を見る視線って言うのかな?がざっくざっく刺さってくるから。

それに面白いのか嫌がらせなのかやたらに僕に声がかかるし…。そりゃ、今はあれだよ、一応接客中だから笑顔で頑張ってるけどキツいんです。もう泣きたい

そんなとき僕に追い討ちをかけるように、キランキランが登場した


「我が妻の艶姿を見に来てやったぞ」


てめぇの妻なんかここにはいないからさっさと帰れよ。思わず口から出そうになった毒を飲み込んで、僕は笑顔でキランキラン、もとい風間先輩に声をかけた


『いらっしゃいませ』
「俺は我が妻を呼んだのだ。貴様など呼んでなど―…」


僕が声をかけたことによりイライラしながら振り返った風間先輩は僕の姿を視界に入れて、固まった。…やっぱ固まるほどショッキングだよね。今の僕って。やばい泣きそう


「貴様…」


伸びてくる風間先輩の手に、叩かれるのかなぁ…顔はやめて欲しいなぁと思いながら目をぎゅっと閉じた


「…お前は今から俺の嫁だ」
『…へっ?』


叩かれると思ったその手は僕の頬に添えられていて、ついでに風間先輩が何を言ったのかもかなり理解がし難くて…

とりあえずなにがあった?


「美しいな。俺の嫁にするには申し分ない容姿だ。喜べ」
『……』


軽くフリーズ。
なにこの上から目線。それに別に嬉しくないから喜べない


「お前、名は?」
『…如月伊織ですけど』


再び風間先輩が固まった。…まさかこの人僕だって気付いてなかったとか?


「…貴様、あの忌々しい転校生なのか」
『まぁ、そうなんじゃないですか』
「……」


じーっと僕を見つめてくる風間先輩。穴に入りたいとは言ったけど穴開けられたいとは僕思ってないんだが。

風間先輩は顎に手を当てにやりと口角を吊り上げると一人納得したように喉をくつくつと鳴らした。




 



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