『〜♪』
久しぶり、久しぶりに定時に上がれた私のテンション高め!早く帰れた記念に新レシピのプリン作っちゃうよ☆
家の冷蔵庫には常にプリンの材料は揃ってる。だが、しかし。今回のプリンは新レシピだからちょいっと材料が家にあるものだけじゃ足らないのである
てなわけで、私の足は材料を買うためにお店へと向かっている最中。
ざわざわと賑わう池袋の街。夕方に彷徨くのは久しぶりだけど、池袋ってこんな賑わい方してたっけ?
まぁ、今私の脳内は十割方プリンに占められてるから気にすることじゃないんだけどね☆
って、つい一瞬前まで思ってました。手からだらだら血を流す静雄さんを発見するまでは。
「おう、ほとり。仕事の帰りか?」
片手を上げて挨拶してくる静雄さんの表情には痛みとか苦痛とかそんなのは一切ない。
静雄さんいつもと変わらないように見えるけど、異常に血が流れてます。
『はい。そうです。静雄さんはどこから帰ってきたところなんですか?』
「あー、接着剤と絆創膏買いにコンビニ行った帰りだ」
接着剤と絆創膏。
そのコンビでこの人は何をするつもりだ。
だがしかし。
つっこみは入れないよ。何故かって?つっこみはショタコの担当だからです。
だらだら赤いものの出てる静雄さんの手のひらから一回視線を外して、静雄さんを見上げると相変わらず綺麗な金色。…金色?
!、プリン!!新作プリン!静雄さんに食べてもらわなくては!思い立ったらすぐ口に!
『そうなんですか。あの、静雄さんこのあと時間空いてます』
「空いてるぜ」
『じゃあ、新作プリン試食してくれません?』
「いいのか?」
『もちろんです!静雄さんに食べてもらいたいので!』
「……はっ、?」
静雄さんの表情が若干変わったような気がしたけどそんなことは気にしません。そうプリン!プリン!!
血が出ていない方の静雄さんの手を掴んで、引っ張る。さぁ、いざ行かん!我が家!!
ついでにちゃんと静雄さんの傷の治療もしてあげなくては!
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