「ほとり、ほとり!ちょっとイケメンがあんたのこと呼んでるわよ!」
『はぁ?』
至福のプリンタイム。
唾を撒き散らしながら目の前にやってきたショタコにたまたま持っていた生卵なんてぶつけてやった。
…ショタコの頭のてっぺんに黄身がきれいに着地してるワロス
『イケメンって誰ですか?金髪バーテン服の人以外の知り合いにイケメンなどいないんですけど』
「残念ね!黒髪よ!黒髪イケメンよ」
『じゃあショタコが私のふりして相手してあげてください。私は忙しいんです』
至福のプリンタイムを邪魔するなんて万死に値する行為だ。静雄さんなら許すけど、他の奴は許さん。てかそもそも静雄さんプリン仲間だからそんなことしないの知ってるけど
てか、このプリン当たりすぎるショタコの残念な姿も許せるくらい美味しい。あとで静雄さんに教えよう。
「…プリンの有名なお店の袋持ってたけど」
『さぁ、ショタコ。私に会いに来たイケメンのところに連れてって』
べっ別に全力でプリンに釣られただけなんだからね!そのお店のプリン食べたい以外頭に無いから。
「イケメンよりプリンとか考えられないわ」
『だまれ埋めるぞ』
「ちょ、真顔で言うの止めて」
プリンを馬鹿にする奴フルボッコ。以上。
***
ショタコに連れられていった先には、まじであの有名なお店のプリンが待っていた。
「やぁ、はじめまして」
『はじめまして』
私のプリン。
本当はもっと早くに君と出会いたいと私は思っていたんだよ
「……せめて俺の顔見て言って欲しいかな」
『あ、すみません。眩しすぎて…』
本当にもう眩しすぎるよ
でも君以外が視界に入らないんだ…!なんて罪な君!こんなに私を虜にするなんて…!
「へぇ、眩しすぎて俺を直視できないって?…なかなかの口説きだね」
『プリンが』
「プリン!?」
あぁ、眩しいよ…!
紙箱の外からでも伝わるよキミの輝き…!
『とりあえずプリン下さい。お話は一年後くらいにお願いします』
「…一年も待てないんだけど」
『私はプリンを食べたくてもう一秒も待てません』
いいからさっさとプリン寄越せや。両手差し出すからはようください。口の中大洪水になりそう
「んー、少し我慢して話聞いてくれるならいくらでもプリン食べさせてあげるけど?」
『さぁ、早く話してください』
「変わり身早いね」
黒い人のプリンを持っていない方の腕をつかんで中庭にれっつごー!プリンも私の口にれっつごー!してくれてかまわないのよ?
もう少し。
プリンの味を想像したらついに涎が出てきちゃったぞ☆
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