本当は今すぐ会いたい




《なぁ、菜音》

『んー。なに』

《お前さ、寂しくねぇの?》

『いきなりなに?』

《だって、ほら…。俺さ、今合宿行ってるじゃん?》

『行ってるね。素晴らしい先輩たちと』

《…だからさ、その……》

『どうしたの?』

《…菜音は俺に会えなくて寂しくねぇのかって、聞いてんだよ!!》

『…うん?』

《お、俺は…、その…》

『うん』

《こんな風に電話じゃなくてよ、》

『うん』

《今すぐ会って、菜音と話したいんだよ…!》

『……ほう』

《なんなんだよ!その気の抜けた返事は!!…ったく、なんで俺ばっかり……》

『ねぇ、赤也』

《…なんだよ》

『外、出て来てよ。待ってるから』

《はぁ!?》

『会いたいと思ってるの、自分だけだと思わない方がいいよ』

《…っ、それってつまり……》

『あ、幸村先輩に見つかりそう。早く来てくれないと私帰らなくちゃいけなくなる』

《今すぐ行く!そこで待ってろよ!!》

『はーい』



ベッドに携帯を投げ捨てて、俺は急いで部屋から飛び出した。





[ 3/5 ]
[] []
[list][bkm]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -