なんて言うか、その、
(うわぁぁぁぁあ)
部屋で一人頭を抱え込む。一体オレはどうしたって言うんだ
何ともなかった筈なのに、菜音を見ると勝手に顔が熱くなって、どうしようもなく慌ててしまう
今までは普通に話せていたのに、今は普通に話せる気など全くしない
「ギル、いる?」
「…あぁ」
扉の外からノックと共に聞こえてきた声に返事をすれば、静かにオズが入ってきた
オズは適当な椅子に腰かけるとオレをじっと見る
「…なんだよ」
「ギルってさ、菜音ちゃんのこと好きでしょ」
「!ち、違う!!」
断定したオズの言い方をオレは急いで否定する。
そんなオレにオズはにやりと笑う。…嫌な予感しかしない
「じゃあ何であんなに意識しちゃってんの」
「い、意識なんてしてない!」
「嘘つき。ギルは菜音ちゃん見かけるたび、菜音ちゃんのこと目で追うくせに」
「それは、心配だから…だ」
「なんで?菜音ちゃんめちゃくちゃ強いじゃん」
「…菜音はっ」
その続きを言おうとして、止めた。
(菜音は、菜音は…オレにとって…?)
うんうん悩み出したオレにオズは悪戯気に言う
「ねぇ、ギル」
「なんだよ」
「早くしないととられちゃうよ?」
「…?なにを」
「ヒミツ」
オズは再び笑みを作ると、部屋から去っていった
なんて言うか、その、
(妹、とは違う、気がしてきたんだ)
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