僕はそんなに優しい人間じゃない。
「…菜音、外行ってもいいですよ」
ぼんやりと外を眺める菜音の背中に静かに声をかけた
「本当に?」
ぱっと振り返った菜音の顔には嬉しそうな笑顔が浮かんでいる
その笑顔に僕も微笑み返す
「えぇ、本当ですよ」
「そっか、ありがとうレン!」
縛ったのは僕なのに、彼女は僕に「ありがとう」と言う。可笑しな話。
でもその笑顔はすぐに崩れてしまうんでしょう?
「櫂に絶対に会いに行かないと約束してくれるなら、ですけどね」
「…!」
「気付いてないと思っていたんですか?」
「いや、その…」
言い訳を考えようとしているのか、視線をあちこちに飛ばす菜音
でも、残念。
わかっているから、許さない
僕はそんなに優しい人間じゃない。
(君でも優しくできない)
20120206
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だんだん意味分かんない話に…
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