僕はそんなに優しい人間じゃない。



「…菜音、外行ってもいいですよ」


ぼんやりと外を眺める菜音の背中に静かに声をかけた


「本当に?」


ぱっと振り返った菜音の顔には嬉しそうな笑顔が浮かんでいる

その笑顔に僕も微笑み返す


「えぇ、本当ですよ」

「そっか、ありがとうレン!」


縛ったのは僕なのに、彼女は僕に「ありがとう」と言う。可笑しな話。

でもその笑顔はすぐに崩れてしまうんでしょう?


「櫂に絶対に会いに行かないと約束してくれるなら、ですけどね」

「…!」

「気付いてないと思っていたんですか?」

「いや、その…」


言い訳を考えようとしているのか、視線をあちこちに飛ばす菜音

でも、残念。
わかっているから、許さない


僕はそんなに優しい人間じゃない。

(君でも優しくできない)

20120206

だんだん意味分かんない話に…



[ 8/8 ]
[] [→]
[list][bkm]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -