広い部屋の寄り添う布団
温泉から出て部屋に戻れば、すでに菜音は布団の上で寛いでいた
…浴衣だから、そのはだけていろいろアレなんだけど。
ごろん、と寝返りをうったことにより、菜音の視界に俺が入る
すると、菜音はへにゃと笑った。さっきのことなど覚えていないように
「臨也ー、眠いー」
…やっぱりな。
菜音は大抵眠いときは俺に甘えてくる。このときの俺は必死に理性を保っています
甘えてくる菜音は本当に可愛いんだよ?しかもなんか、こう色っぽさも兼ね備えちゃうからさ。
でも好きな子の寝込みを襲うほど俺は落ちぶれてなんかないから。…あぁ、生殺し。
「じゃあ、一緒に寝ようか」
「え、やだ」
…こんなときだけは、いつも通りの返事なんだけど、ね
とりあえず、二つの布団を部屋の真ん中に寄せる
「はい、じゃあ寝ようか?」
腕を片方だけ広げて、菜音を呼び寄せる
とんとん、と布団を叩けばのんびりと菜音が近付いてくる
「…うん、」
目を擦りながら、小さく欠伸を噛み殺し、俺の腕に頭を乗せて寝転がる菜音。
一般的にいう腕枕状態です。
「おやすみ、菜音」
「ん、おやすみ…」
柔らかい菜音の髪を撫でながら、俺もゆっくりと目を閉じた
―広い部屋の寄り添う布団
(君を優しく抱き締めて)
20121028
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