「ここかぁ…」
"カードキャピタル"と書かれた看板を見上げる。
ここに櫂がいるかもしれない、それだけで顔が緩む
早く会いたい。
「こんにちはー、」
ドアを開き、中に入ればそこにはたくさんの人たちが楽しそうにファイトをしていた
うんうん、いいんじゃない
まぁ、レンが求めるような子はいなさそうだけど。
「いらっしゃい。」
本から、ちらりと目を離し、そう言ったお姉さん。綺麗だね、アーちゃんといい勝負
にこり、と笑って会釈をして中に進んでいく。さて、櫂はいるのかなー?
きょろきょろ、しながら店内を見てみる。…見つからない。
どうやら櫂はここにはいないらしい。無駄足だったかな、と踵を返して店から出ようとしたときだった
「あれ、あいつFFのAL4と一緒にいた奴じゃないか?」
その言葉を皮切りに、ざわざわと騒がしくなりはじめる店内。…なんだ、なんだ?
「そういえばいたな。あの姉ちゃん」
こら、人を指で指すんじゃありません。
立ち止まって騒がしい人たちの方に視線を向けると、髪の毛がつんつんした男の子が近付いてきた
「おい、お前!何しに来たんだよ!!」
びしっ、と突きつけられた指をとりあえず曲げる。
「こんな至近距離で指差されなくても、話しかけられてることくらいわかるよ。」
お分かり?小学生くん。と笑うと、小学生くんはふるふると体を震わせた。
…こわいこわーい?
「なんだとっ!」
「カ、カムイ君!落ち着いて」
「…お兄さん!」
荒ぶるその小学生くんを宥めたのは、青い髪の気の弱そうな男の子。見覚えがあるような、無いような…
その二人のやりとりを見ながら、ひっそりとため息を吐いた。
―青髪くんと小学生くん
(…疲れちゃった)
櫂がなかなか出てこない
20120128