赤司くんと一緒に登校した日から5日がたった。
3日目くらいまでは、けっこう好奇の視線が突き刺さっていたけれど今では大したこと無くなってきていた。少なくなったんだか、慣れてしまったのかはわからないけれど。
「菜乃。」
『あ、征十郎くん』
「迎えに来た。今日も屋上でいいか?」
『うん』
赤司くんはこうして昼休みになると、一緒にお昼を食べるために私を教室までわざわざ迎えに来る。
そんなことしなくても、アドレスは交換したんだからメールのひとつでも送ればいいのに。
鞄からパンの入った袋を取り出して、先に教室に外に出た赤司くんを追いかける
教室を出る直前に何とも言えない顔で私を見ていたクラスメイトたちに べっ と下を出しておくのを忘れずに
***
『………』
「……………」
赤司くんとのお昼は基本お互い無言。ただもくもくとご飯を食べ進めるだけの時間。
赤司くんはつまらなくないのか?最初の日はそう思ったりもしたけど、赤司くんは騒がしいのはあまり好きじゃないらしいことを知ったから、何も気にしないことにした
あー、今日も空が青いな……。
「菜乃」
『なに?』
「お前は…、いつもパンばかりだな」
『……お弁当作るの面倒臭いからね』
「………」
今食べてるのも今朝コンビニに寄って買ってきたパン。最近チーズクリーム系のパンが美味いと思う、なんて。
無言になった赤司くんは、ただ じー っとパンを見つめてる。
…なんなんだろうか。
パンを見つめる赤司くんを見つめみると、赤司くんは突然視線を上げた
ぶつかった視線。
「………………っ、」
『……?』
反らすのも失礼かな、と思って見つめたままでいたら赤司くんはものすごい勢いで顔を反らした。 ぶんっ て音がした
「菜乃っ、」
『はい?』
「明日、僕が弁当作ってくるからパンは買ってこなくていいからな」
『はぁ……、?』
そのあと赤司くんはこちらを向くことなく、お昼が終了した。
20121104
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