(なんていう不愉快さだ。これは……)


じろじろ、とあちらこちらから好奇や羨望、嫉妬の類いの視線が突き刺さる。それは仕方の無いことなのだろだって、今私の隣には……赤司征十郎がいるのだから。

まさか、家の前で赤司くんが私を待っていることなど誰が想像できただろうか。
昨日帰りは一緒とか行っていたけれど、まさか朝まで一緒なんて…、予想外だ。

そっと隣を歩く赤司くんを見てみる。なんだかよくわからないが赤司くんは難しそうな小説を読んでいる。よく小説を読みながら歩けるものだと思う。

赤司くんにもこのうざったい視線は突き刺さっている筈なのに、全く気にしていないように見える。

それもそうか、これだけ綺麗な顔をして頭も良くてスポーツも出来る。そんな彼だこんな視線、昔から向けられていたんだろう


「菜乃、僕の顔に何かついているのか?」


気が付かないうちに大分赤司くんのことをガン見していたらしく、赤司くんがどこか不機嫌そうにこちらを見た。


『いや、何もついてないよ』
「ならそんなに見るな。集中できない」
『そうだね。ごめん』


流石に見られ慣れている赤司くんでも、至近距離で見られていたら集中できないらしい。そういえば、私が赤司くんを見ている間小説のページは一枚も捲られていなかった。

なんだか悪いことをしてしまった。もう一度赤司くんに謝って、私は真っ直ぐ前だけを見ることしよう

そして、真っ直ぐ前を向こうとしたとき、驚いたような幼馴染みの顔が視界の端に映った………

気がした。



20121029






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