「白月っち、これありがとうっス」
『ん?あぁ。どういたしまして』


幼馴染み、その関係を続けて早十数年。
小、中、高。面白いくらいに違う学校になることも、違うクラスになることもなかった。
まぁ、何と言うか友達よりも家族って感じの関係変わらずに保っている感じだ。

黄瀬からこの前試合でいなかった時の分の授業ノートを返してもらって席に戻ると、すぐさま友達が羨ましそうに私を見た


「ほんっと、菜乃って羨ましいよねー」
『なんで?』
「だって、黄瀬くんと仲いいじゃない!」
『んー、そう?』


きゃっきゃっとはしゃぐ友達を見ながら私はひとり苦笑いを浮かべる。

黄瀬がモデルを始めた頃からか私は今みたいに「黄瀬の幼馴染みで羨ましい」と何度も言われてきた。

でも、私にとっての黄瀬はモデルとか以前に家族みたいなものだから、その感情は未だによくわからない


「菜乃、今日の部活のことなんだけどいいか?」
『あ、はーい』


部活の先輩に呼ばれて、友達に一言言ってから先輩の方に駆け寄った。

そして黄瀬が、先輩と話す私の姿を見ていたことなんて私は知らなかった。


20121007






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