***緑と黄と青鬼
「なんでオレがゲームなどしなくてはならないのだよ」
ぶつぶつ何かを言っている緑間を無視して、ゲームを起動しスタート画面を表示する。
ホラゲーらしいから、ぱっと緑間と黄瀬を呼んでみた。黄瀬見た目的にビビりっぽいし。
「緑間っちそんなつれないこと言わないでやろうよー」
『んなことより、名前決めよ。もう緑間でいい?』
「なぜオレの名前を使う!?」
『眼鏡だし、なんかうざいから』
「!?」
「うわー白月っちきつ…!まぁ、とりあえず始めましょっか」
『うぇーい』
名前も決めたし早速ゲームスタート。卓郎くんイケメンなのにタケシどうしてあぁなったん?顔面格差過ぎる。
黄瀬にプレイを頼んで、行動開始。化け物でる屋敷で単独行動とか勇者だよね。緑間。
「え、ちょっ誰もいないんスけど!?」
『うわー、やっぱ名前緑間だからじゃない?』
「白月、お前それはどういう意味だ」
『そのまんま』
ぐだぐだと会話をしながらも、画面の中の緑間は屋敷の中を散策のために彷徨く。
ほとんどの部屋の鍵が開かないことに黄瀬は「警備厳重すぎっスよー」と不満をもらす。私もそう思う。
大したものも見つからないまま、一階から二階へ行く。お、最初の部屋鍵開いてる。
部屋を散策していると、いきなりごとんっと何かが落ちる音がした
「ちょっ、ちょちょちょ!何か今音がしたっスよ!?」
「し、知らないのだよ!」
『とりあえず、クローゼット開けよー』
音がしたのはおそらくクローゼット。開けるように黄瀬に促せば黄瀬はクローゼットをいやいや開き「げっ」と声を漏らした
「うわ、なんかコイツめっちゃガタガタしてんスけど…」
『黄瀬じゃん?』
「黄瀬だな」
「2人ともひどいっス!それに顔的に言ったらオレ卓郎っスよね?」
「しね」『しね』
「うわぁぁぁあ!」
とりあえずガタガタ言ってる黄瀬(タケシ)は放っておいて部屋の散策を続けると図書室の鍵を手に入れた。
…あれ、この屋敷警備厳重じゃなかったっけ?これじゃ駄目じゃね?
そう思ったけれど言うの面倒臭いからそのまま黙っておいて、ひとまず図書室に。んでもって中入って机の上にあった鍵を取ったら、なんかきもいの出てきた。
「っうわぁぁぁあ、きもっ!きもっ!なんかきもいの出てきたぁぁぁぁあ!?」
見た瞬間叫ぶ黄瀬。モデルとは思えない顔になってる。さすがはモデル(笑)だと思われる
「この青い化け物はなんだ!?」
『きっとこれが青鬼だね。さぁ逃げろ黄瀬。死ぬぞー?』
「ちょっと、白月っち交換して!」
か弱き乙女にこんな化け物の相手をさせようなど見損なったぞ黄瀬。それに主人公の名前緑間だし?私関係ないし?
『え、やだ』
にこやかに断ると、黄瀬は「鬼ぃぃぃぃ!!」と叫んで、画面の緑間は捕まった。
画面に表示されるのは「GAMEOVER」のその文字。
…うーん。
『あきたからやめよっか』
「えええええ!?」
「……」
緑間がちょっと安心したように息を吐いたのを私は見逃さなかった。
20121006
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