「なほちん、好き〜」
『私も好きですよー』


お昼休み。
今日はすごく寒くて、いつもみたいに屋上でご飯が食べられない代わりに、敦くんの教室で食べることに。

最初は机をくっつき合わせて食べようと思っていたのだけれど、敦くんが私を後ろから抱え込んで「このまま食べたい」っと言ったので、私は敦くんの膝に座ってご飯を食べることになりました。


「卵焼き甘いやつ?」
『うん。敦くんは甘いのが好きなんですよね』
「そーだよ。食べていい?」
『勿論。敦くんのために作って来たんだから』


卵焼きをお箸でつまんで敦くんの口元まで運べば、敦くんは大きく口を開けてそれを一口で全部口の中に入れた。

もぐもぐと動く敦くんの口をはらはらどきどきしながら見つめる。なかなか上手く出来たと思うんだけど……。

ごくり。

敦くんは卵焼きを食べ終えると、へにゃっと表情を緩めた。


「美味しい…」
『よかったぁ…』


つられてふにゃりと表情を緩めたら、敦くんは心底嬉しそうに笑った


「なほちんはいいお嫁さんになれるねー。オレの。」
『敦くんのいいお嫁さんになれるように頑張りますね』
「うん」


大きくて、あったかくて、優しく私を包んでくれる敦くん。これから先もずっとずっと一緒にいたい。


「なほちん」
『はい?』
「じいちゃんばあちゃんにずっと一緒にいようね」
『!…うんっ』



誰よりも大好きな君と。
溶けそうになるくらい幸せな日々を。








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