「オレ、アンタのこと好き」
――それが、生まれて初めての呼び出しで、告白でした。
ちょっと気だるげだけれど、真っ直ぐに私を見つめるその瞳に今までで一番心臓がばくばくと早鐘を打って、じんわりと顔に熱が集まって…
あぁ、私はいったいどうしてしまったんだろう
胸が強く締め付けられて、意味もなく泣きそうになってしまうこの感情は…
「オレと付き合ってくれる?」
変わらず私を見つめる瞳。差し出されたその大きな手に、私はゆっくりと自分の手を重ねていた
『はい…っ!』
確かにそう、返事をして。
***
「――ちん、なほちん?」
がくがくと肩を揺らされて、意識を現実に戻すと、目の前には少し不安そうな敦くんがいた。
そうだった、今は敦くんの家で2人でのんびりしていたんでした。
『、はい?』
「どしたの?ぼーっとしてたけど」
『ちょっと、昔のことを思い出してまして』
「…ふーん」
聞いてきたのに興味無さげな反応をするのは、本当に変わらないんだから。もうすっかりなれてしまった持ち上げられる浮遊感を感じながら、笑う
敦くんは私を自分の胡座をかいている足の間におろすと、後ろからぎゅうっと抱き締めてきた。
「昔のなほちんは、持ち上げただけで顔真っ赤にして慌ててたよねー」
『びっくりしたし、恥ずかしかったですしね。』
「今はなんとも思わないわけ?」
『慣れちゃいましたからね。でもまだちょっと恥ずかしいです』
肩に頭をのせてくる敦くんの長めの髪の毛が首筋に触れて少しくすぐったくて、身を捩れば離さないと言わんばかりに、敦くんの私を抱き締める力が強くなる
「でもさぁ…」
『?』
不自然に切られた言葉に違和感を感じて、敦くんを見るために首だけ動かして振り返った瞬間――
『――っ!?』
ほんの一瞬、柔らかくあたたかなそれが触れ合った。
それがなんなのかを理解した瞬間一気に集まってくる熱。
「なほちん真っ赤ー」
すごく嬉しそうに耳元で小さく笑う敦くんの声にさらに熱が集まって来る
「ちゅーしたときに真っ赤になるのは変わんないよね」
『〜〜っ』
「かわいい。もっかいしよ?」
そして、今度はゆっくりと近付いてくる敦くんに私はそっと目を閉じた