嘘か本当か





彼女は根っからのイケメン好きだ。

でもコートの周りに集まってミーハーに騒ぐ奴らとは違う

だから俺はこうしてこいつと話せているのかもしれない


『幸村ってさー、女装似合いそうだよね!』

「なにそれ、喧嘩うってるの?」

『そんな自殺行為しないよ』


けらけらと笑う菜音になんか苛ついて思いっきり頬をひっぱってやれば、いひゃいと涙目でうめいた

…ぶっさいくだなぁ

ぱっと手を離すと、菜音は真っ赤になった頬を擦りながら、それでもけらけらと笑った


『ほーんと、幸村って面白いよねぇ。私が男だったら嫁に欲しいわ』

「菜音が男でも俺も男だから、嫁になんてならないよ」

『あ、じゃあ幸村が女で私が男だったら結婚したいー』

「なにそれ。結婚なら今でも出来るじゃん」

『…んぇ?』


マヌケ面を晒す菜音の髪を指に絡めて、俺は笑みを浮かべる


「俺は男で、菜音は女。…問題無いだろ?」

『…っ、いやいやいや!幸村落ち着け』

「俺は充分落ち着いてるよ」


ぎゅうっと真っ正面から抱きついてやれば、わかりやすく慌てるのがわかる


『ゆゆゆ幸村さーん!』

「うるさい」


あぁ、面白い
もう少しからかってやろう。
そう思って腕の力を強くした


嘘か本当か
(気持ちは迷走中)

―――――

テニプリ再熱。
幸村が魔王過ぎて可愛い。

20120730

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