「だーれだ」
気の抜けてしまいそうなほど緩い声と、視界を覆う大きな手のひら。私の知っている人の中でこの2つの条件に当てはまるのは1人だけ
『紫原くん!』
「せーかい」
ぱっと離される大きな手のひら。その手を捕まえて微笑めば、紫原くんは嬉しそうに私を抱き締めた
「じゃーあ、見事正解したなのちんにご褒美をあげようと思いまーす」
『本当に?』
「うん、だからこっち向いて」
言われた通り振り返ると、 ちゅ と軽いリップ音とあたたかく柔らかい何かが頬に触れた
反射的に ばっ と頬を手で押さえれば紫原くんはおかしそうに笑った
「あは、なのちん真っ赤〜」
目隠し遊び
20121008