とある少女の哀






※幸村が酷い子

――――――――



「もういいよ」
「…え?」


放課後、校舎裏幸村くんにいきなり言われた言葉をわたしは理解することが出来なかった

もういいよ、って何?何がいいの?わからないよ…

幸村くんに手を伸ばせばそれは乾いた音をたてて、払われた


「…もうさ、役たたないんだよね。はっきり言うと邪魔なんだ」
「えっ…?」
「適当に彼女でも作ったら、妬いてくれるかなーって、思ったんだけど、逆効果だったし」


たんたんと冷たい笑みを浮かべた幸村くんの口から言葉が放たれる。どの言葉の意味もわからない、わかりたく、ない


「お前がいると、いつまでたっても菜音を俺のに出来ないんだよね」
「――っ」
「もういいからさ、俺と菜音の前から消えて。」


冷たい視線が突き刺さった。抉られて痛みを放つのは、幸村くんに恋をしていた私の心


「なん、で…?」


乾いた喉から出た言葉は掠れきっていた、怖くて、怖くて、苦しい。その理由を聞くことが


「なんで?君は可笑しなことを聞くんだね。普通わかるよね」
「わか、らないよ…」
「…見苦しいなぁ。これだから嫌なんだよ」


無意識のうちにぼやけた視界、両目が熱い。

それなのに幸村くんの冷たい視線のせいで背筋は凍りついてしまいそうなくらい冷たさを感じている


「俺は、菜音が好きなんだよ。菜音が俺のものになるならあとはどうだっていいんだ」
「…う、あ」
「それじゃあね。バイバイ」


息が、出来ない、苦しい、辛い。幸村くんがわたしから離れてしまうことが

認めたくない、少しの間だったけれど一緒にいられて幸せだった日々が無くなることを


「幸、村くん、…」


どれだけ伸ばしても届かないとわかっている腕を必死に幸村くんに向けて伸ばす。そう、すがるように


「わたしのこと、少しでも好きだった…?」


そのわたしの問い掛けに幸村くんはすごく、すごく優しい笑顔を浮かべて言った。


「全っ然!」



とある少女の哀
(わたしはただの使い捨て)

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全力ですいません。
でも前からこんなの書いてみたかっ((
この話の幸村さんは菜音愛のヤンデレさん設定。

20120815


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