ぱちっ、と目を開く
カーテンの隙間から入ってくる光が眩しい。ふぁ、と欠伸を一つこぼす
頭も体もまだ睡眠を欲してるんだ。寝るのが一番
眩しくないように布団の中に潜り込む。あったかくて暗いそこは再び俺の意識を夢の世界に誘う
「…おやすみ、」
誰に言うまでもなく、ただそう呟いて目を閉じ、夢の世界へと意識を沈めた…。
いや、沈めようとしたんだ。
「おっはよー、朔也!」
「…」
こいつ、残夏が来るまでは…。
残夏がテンション高めな挨拶とともに勢いよく布団を剥がすもんだからさぁ、大変
俺を包んでいたぬくもりと暗闇は一瞬にして取り払われてしまったのだ。畜生
布団を奪われたために一気に朝の寒さが俺を襲う。
うとうとと微睡んでいた意識は一瞬にして吹き飛ばされた
「…最悪」
ぼそっと呟く
睡眠は俺にとって何よりも大事なのに、それを邪魔しやがって…
「もー、朔也ひどいっ!ボク泣いちゃうよ?」
「知らない。残夏が泣こうとなんだろうと俺には関係無いし」
「あー、もう朔也って本当に冷たいっ!でもそれがいい!」
朔也〜、とか言って飛び付いてこようとする残夏を避けて起き上がる
一回目覚めてしまったなら起きるしかないだろう。…まぁすぐどっかで寝るけど
「ほら、いつまで人のベッドで転がってんだよ。置いていくよ」
「あっ、待ってよ朔也〜」
後ろからついてくる残夏を確認して歩き出す
さぁて、今日も1日が始まる