貴方はよく私にプレゼントをくれた。甘くて可愛いお菓子に、綺麗なアクセサリー
私が喜ぶものをいつもくれる貴方のことが私は大好きだった
「はい、菜音。お土産」
「うわぁ!ありがとう臨也さん!!」
「どういたしまして。」
それに、貴方の笑顔が私に向ける笑顔はどんなお菓子やアクセサリーよりも私を幸せにしてくれた
だから、だから気付かないフリをしていたの、私と臨也さんの距離が近付けば近付くほどにお父さんの会社が崩れていくことに
臨也さんが好きで好きで、傍にいたくて、家族が止めるのも聞かないで臨也さんのところに行き続けた
そして、それを続けた末にお父さんの会社は倒産していた
それでも私は臨也さんに会いに行き続けた。
「やぁ、菜音。いらっしゃい」
「臨也さん!」
大好きな彼に抱き着いて、ほっと息を吐く。そんなまでに心酔していたから、私は臨也さんの口から発せられた言葉を理解することが出来なかった
「もう二度と来なくていいから。君は用済み。バイバイ」
「―えっ?」
引き離された体はドアの外に放り出され、大好きだった笑顔を最後に目の前の扉は閉まっていった
そしてやっと理解する。自分が彼にとってただの捨て駒にしか過ぎなかったことに
―お菓子≦トラップ
(でも彼のことを憎めないの)