「あ、肉まん食べたい。」
そう思ったらもう止まらない、肉まんが食べたい。
…確か近くにコンビニがあった、はず!もう買いに行くしかないよね
臨也はパソコンで仕事をしている最中。邪魔しちゃいけないよね。声かけてささっと行ってきちゃおう、と
「臨也、ちょっと出掛けてくるね」
「…うん、」
マフラー巻いて、コートを着てマンションの外に出れば、あまりの寒さに体が震えた
はぁ、と口から吐く息は白い
もともと手が冷たい私だけど、手は外の寒さによって更に冷たくなった。
手が上手く動かない。手袋してくればよかったな、と今更後悔
顔の前にしていた手をぶらんと下げると、ふわっとあたたかくなった
「一人で出掛けちゃだめって言ってるじゃないか」
「…臨也?」
臨也は私の手を握ると、自分のコートのポケットへとそのまま一緒に入れた
臨也の手もそんなにあたたかくはないのになんでかあたたかく感じる
「臨也が、"うん"って言ったんじゃん」
「…聞こえなかったんだよ」
「耳遠い…?」
「うるさい」
ぎゅっと手を握り返せば、またぎゅっと握り返される。ほんの少し暖かくなってきた手に、ほっこりと胸も暖かくなった
―手袋